2023年1月19日。
NTT東、食用コオロギ飼育の最適化へ実証実験
NTT東日本は19日、食用コオロギ生産を手掛けるベンチャー企業と連携し、コオロギ飼育環境の最適化や飼育の自動化を目指した実証実験を始めたと発表した。
センサーや人工知能(AI)を用いた温度の管理や画像の分析などを通じて、飼育の省人化やコスト削減につなげる技術開発を行う。令和6年9月ごろまでに技術実証を終える予定だ。
食用コオロギの生産から販売を一貫して手掛ける徳島大発ベンチャーのグリラス(徳島県鳴門市)と組む。NTT東は東京都調布市内にある自社の実証フィールドに飼育室を設置し、室内の温度や湿度、二酸化炭素濃度をセンサーによる常時監視で収集する。適切な環境を自動管理できるシステム構築や、画像認識AIによる分析などでコオロギへの自動給餌方法の開発なども目指す。
NTT東、食用コオロギ飼育の最適化へ実証実験NTT東日本は19日、食用コオロギ生産を手掛けるベンチャー企業と連携し、コオロギ飼育環境の最適化や飼育の自動化を目指した実証実験を始めたと発表した。センサーや…
2019年に国際連合が発表した報告によれば、
重要な生物種の喪失および生態系の破壊など、その複合的な影響は壊滅的かつ不可逆的なものとなるであろう。地球上の多くの場所を居住に適さないものに変えるこうした影響を最も被るのは貧困層である。食糧生産を危うくし、広範な食糧不足と飢餓をもたらし、2050年までに最大1億4,000万人が住む場所を追われる可能性がある。気候変動に対する確たる行動をとるための時間は押し迫っている。
SDGs報告2019 | 国連広報センター概要* * * * * * *以下は、本報告書The Sustainable Development Goals Report 2019の「はしがき(アントニオ...
「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択されて、その2030年まで残り7年を切りましたが、ここに来て「昆虫食」をはじめ食料確保、食料供給維持についての取り組みが、私たちの目につくニュースとして発信される機会も多くなってきました。
もちろん、世界情勢の不安定化からくる「食料安全保障」的な側面も、その加速度に拍車を掛けているようにも感じるところです。
2022年には、80億人を突破した世界人口。
今後、30年で世界人口は97億人、100億人近くに増加すると見込まれていて、人口増加に伴う食料不足、食糧危機、食糧問題への対応が急がれているところとなります。
その中でも特に動物性タンパク質の不足、いわゆる「タンパク質危機」に対する解決策として、国際連合は昆虫食を推奨しました。
そんなことから、なんとなく「昆虫食」というキーワードは意識するものの、昆虫食=コオロギといった露出が多いことに対して、なぜ?コオロギなの?という疑問は常々、感じるところでもあります。
食用コオロギのメリットとは?
では、昆虫食でコオロギが注目される理由はどこにあるのでしょうか?
コオロギのメリットをピックアップしてみます。
その1)コオロギの優れた栄養価をもっている
コオロギは豊富なタンパク質のほか、亜鉛、鉄分、カルシウム、マグネシウム、ビタミンB12、オメガ3といった必須栄養素を豊富に含んでいます。
また、キチン質と呼ばれる食物繊維まで多く含むことがわかっています。
動物性タンパク質や必須アミノ酸やビタミン、オメガ3に加えて、食物繊維まで摂取ができ腸内細菌のサポートをする可能性まで。
まさにスーパーフード。
その2)コオロギは飼育が比較的しやすく、環境負荷も少ないタンパク源であること
動物性のタンパク源として牛や豚など家畜の肉が挙げられますが、1kgのタンパク質を生産するのに家畜とコオロギなどの昆虫を比較すると、必要とする餌や水の量が圧倒的に少ないのが昆虫です。
それに加えて、一定の環境条件を備えさえすれば場所を問わず生産が可能。
家畜のように大規模な土地や施設設備を必要としないばかりか、昆虫の場合、今ある建物や遊休施設などのスペースを活用することも出来ます。
また、家畜由来の温室効果ガスも圧倒的に昆虫に分があり、極めて環境負荷が少ないタンパク源であるとされています。
その3)コオロギは「サーキュラーフード」としても期待されています
サーキュラーフードとは
捨てられるはずだった食品を新たな食料として循環させ、「食」という課題から持続可能な社会を目指す取り組みのことです。
最近よく耳にする「サーキュラーエコノミー」は循環型経済といわれ、捨てられるはずだった製品などを資源として循環させます。
つまり、サーキュラーフードは食品面から取り組むサーキュラーエコノミーの一つとなります。https://blog.members.co.jp/article/51807#one
サーキュラーフード=循環型食品
コオロギは雑食性であることから何でも食べるそうです。
ですので食品残渣をエサにすることで食品ロスの低減にも一役買ってくれそう、ということ。
また、コオロギの排出物は植物の費用にもなりますから、まさに食料が循環する仕組みが構築されます。
持続可能な社会に必要となる”サーキュラーフード”というわけです。
コオロギの他に、昆虫食として期待される素材として挙げられるのが、ミールワーム(ミルワーム、ミルウォーム、ミールウォーム)、こちらも雑食性で飼育効率も高く昆虫食期待の星とされています。
このようなポイントがコオロギのメリットとして挙げられています。
他にも、医療材料としても、その可能性が期待されるなど、コオロギ恐るべし、スーパーフード、コオロギなのです。
そうは言っても、食べ物としてのコオロギって、実際どうなのよ!?
といった声が聞こえてきそうですが、一番気になるのはコオロギの味ではないでしょうか?いくら機能的に優れた食材だと言われても、生理的に受け付けないような味だととても食べられないと思いますし、そこが一番気になるところ。
でも、その点においても安心して良さそうです。
コオロギの味は、香ばしいエビのような風味でナッツのような味だとか、陸のエビや炒った豆に近いなどなど、食用コオロギの味に対する肯定的な情報がほとんどです。
ですが、これは「食用コオロギ」、食用として育てられたコオロギに限った話で、道端で見つけたコオロギもその通りかというと、全くそうではないようです。
コオロギは雑食性で、そのコオロギの味の決め手は、コオロギが食べたものによるとされています。なので何食べたか分からないような道端のコオロギが、どんな味なのか?なんとなく食用コオロギのそれと比べて、否定的なイメージが広がりますね。衛生的にもNGでしょうし。
逆に捉えれば、コオロギの味はそのコオロギが食べたものによるとすれば、コオロギの餌によって様々な味の可能性も広がると言えるわけです。
食用コオロギのデメリットとは?
ここまでコオロギのメリットを挙げていくと、コオロギ食べてみたくなりますが、あくまで、野生のコオロギではなくて「食用」として管理飼育されたコオロギの話であって、そこらで見つけたコオロギがそうであるかというとそうではないのです。
食用としての安全性も衛生管理され飼育されたものと、そうでないものとは比較にならないでしょうし、自然界で何を食べたか分からないようなものについては、基本的に普段から皆さん食べないように危険性も多くあることと思います。
それは野生のコオロギの話ですが、食用コオロギでデメリットとされていのが、アレルギーを引き起こす可能性があるという点。
コオロギだけに限らず、多くの昆虫食としての素材が甲殻類に近いものが多く、甲殻類アレルギーを持つ人にとっては注意が必要です。
まぁあとは、見た目へのアレルギーでしょうか。
端的に言えば、見た目から食欲をそそられないという点。
これまで食用として捉えてこなかったコオロギを「はい食べましょう」と言われても、「美味しそうですねー」と手放しになれませんよね。
そこのハードルも、ひとつデメリットとして考えられます。
その見た目についても素材自体の姿形が分からない「加工食品」となれば、そう高いハードルではなくなると思います。
食用コオロギの養殖方法とは?
冒頭で触れたニュースにもあったように、あたかも工業製品のように「生産」される昆虫食用のコオロギ。
安全でおいしいコオロギをたくさん生産するために、様々な先端技術が使用されるのかと思います。
飼育環境も食用として、衛生的に保てるように土に触れずに育てたり、排泄物が飼育ケース内にとどまらないような工夫が施されていたり、餌の品質管理から、餌の安全性、遺伝子組換えでない大豆やトウモロコシを厳選したり、風味が良くなるような餌を管理しながら与える工夫などなど。
現在市場に流通している食用コオロギも、あくまで食品として食品衛生管理の仕組みや基準が満たされる環境下で育てられているようです。
これからも、さらに進化をしていくであろう昆虫食。
それに伴い、明確な飼育基準や安全基準などのガイドラインも整備されていくものと思います。
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