人気もウナギ登り、定着してきた昆虫食で気をつけたいポイント

人気もウナギ登り、定着してきた昆虫食で気をつけたいポイント 家飲みを科学する
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昨年、2020年8月のこと。

東京都内の公園に「公園のセミを食用の目的で大量捕獲するのはやめて」、つまり「公園のセミを、そんなに一杯食べちゃダメ!」といった趣旨の看板、掲示がされた、と言うニュースが報道されていました。

エラー|NHK NEWS WEB

そのころは、「はっ?セミ?食用目的?」とチンプンカンプンだった人も多いことと思いますが、最近では「昆虫食」も広く認知され始めてきて、将来の食糧不足であったり、食品廃棄、フードロスの問題や、代替え肉などなど、食料に対する認識も変化、進化が起こってきたことと思います。

今年、ここに来て「17年ゼミ」として、アメリカで大量のセミの羽化が始まった!その数数兆匹?といった報道がありました。

数兆匹の大発生も?アメリカで“17年周期ゼミ”「ブルードX」羽化始まる【カメラマンCLIP】

「17年ゼミ」-いわゆる「周期ゼミ」として、17年・13年正確に成虫になるセミが大量に発生する現象のこと。

周期ゼミ

周期ゼミ(しゅうきゼミ)とは、セミのうち Magicicada 属に属する複数の種の総称。

毎世代正確に17年または13年で成虫になり大量発生するセミである。その間の年にはその地方では全く発生しない。ほぼ毎年どこかでは発生しているものの、全米のどこでも周期ゼミが発生しない年もある。周期年数が素数であることから素数ゼミともいう。

17年周期の17年ゼミが3種、13年周期の13年ゼミが4種いる。なお、17年ゼミと13年ゼミが共に生息する地方はほとんどない。

北アメリカ東部。セミの仲間は世界中に分布しているが、この周期ゼミという現象が確認できるのは、世界の中でも北アメリカのみである。

17年ゼミは北部、13年ゼミは南部に生息する。

なお、北アメリカには周期ゼミしかいないわけではなく、周期ゼミ以外のセミも100種以上生息する。

エラー|NHK NEWS WEB

アメリカの17年ゼミが、昆虫食がいわばブームのような昆虫食の流れと相まった日本で起こるとすれば、昨年以上に公園のセミが対象に捕獲され、食べられるのでしょうか?

食べる人がいるから、大量に獲る人がいて、獲らないでという人も出てくる中、セミをはじめとする今週食について、その危険性も耳にするようになりました。

アレルギー持ち、甲殻類・魚介類のアレルギーを持っている人は昆虫食には要注意!

Yep! We have to say it!

Don’t eat #cicadas if you’re allergic to seafood as these insects share a family relation to shrimp and lobsters.

これはお伝えしなければいけません!

魚介類のアレルギーがある人は、セミを食べないでください。
この昆虫は、エビやロブスターの親戚関係にあるからです。

↓日本語にすると、だいたいこんな感じでしょうか?

要は、セミはエビやロブスター、いわゆる「甲殻類」に近い種になるので魚介類、甲殻類にアレルギーがある、アレルギーを持つ人は食べないで!

という注意喚起。

裏を返せば、17年セミで数兆匹とも言われるセミが発生して、セミを食べる人が急増しているということが言えるのだろうと思います。

最初に、「公園で食用目的で大量のセミを獲らないで」という看板が・・・という昨年の記事を思い返しましたが、それはアレルギーを理由とする注意警告ではなく、東京都、区の条例で区立公園の生き物を獲ったり、殺したりすることが禁止されていることに起因しているものと思います。

杉並区立公園条例 第1条

(目的)

この条例は、杉並区立公園(以下「区立公園」という。)の設置、管理等について必要な事項を定め、区立公園の健全な発達と利用の適正化を図り、区民の福祉の増進と生活文化の向上に寄与することを目的とする。

杉並区立公園条例 第14条

(行為の制限)

都市公園内では、次の行為をしてはならない。ただし、第1号から第7号までについては、あらかじめ区長の許可を受けた場合は、この限りでない。

(3)鳥獣魚貝の類を捕獲し又は殺傷すること。

良識の範囲内での昆虫採取などを制限するものではなく、区立公園の健全性を保つため、これに反せず、目的に見合った公園利用を行うための警告掲示となったようですね。

もちろん、食用、商用といった目的でセミを乱獲すれば、セミを食べ尽くす、取り尽くしてしまうことにもなり、生態系にもいい影響は及ぼさないのは明白です。

食用として、限度を超えるようなセミの捕獲をやめるようにという昨年の日本の記事。
対して、今年のアメリカでは、対象のセミが発生しているので食べる人も急増している中、アレルギーには注意せよ!という注意警告となるわけです。

日本とアメリカのセミを背景としたスケール感の違いを感じさせる、17年ゼミにまつわる話題ですが、セミに限らず、昆虫食の代名詞になりつつあるコオロギなども同様に、リスクやデメリットをはらんでいることを注意していかなければいけません。

市販の昆虫フードについては、衛生管理は十分に施されているので問題ないかと思っていたところですが、そもそも昆虫食、昆虫系フードの食品表示・アレルギー項目に「昆虫」と明記する義務も、現在のところ存在しないだろうし、知っておくのとそうでないのとではリスク管理の面で大きな差が出来てしまいます。

これからの将来、必要となってくるであろう昆虫食。
甲殻類アレルギーの方は気をつけましょう!

近い将来、アレルギー項目に昆虫が加わったり、昆虫ごとのアレルギー分類が行われたりする未来もあるかもしれません。

甲殻類、軟体類、貝類アレルギー

食品の特徴と除去の考え方

甲殻類(特にエビ)は食物依存性運動誘発アナフィラキシーの原因食物として頻度が高い。
エビ・カニなどの甲殻類間や、イカとタコなどの軟体類間、貝類間に交差抗原性*がある。エビアレルギー患者の65%は、カニにも症状を示すが、甲殻類と軟体類、貝類の交差反応性は20%程度である。

甲殻類、軟体類、貝類をひとくくりにして除去をする必要はない。血液検査、食物経口負荷試験などで個々に症状の有無を確認する必要がある。

栄養食事指導のポイント

調味料に含まれる甲殻類のエキス成分や、スープ、えびせんべいなどの加工品は、個人によって食べられる範囲が異なる。摂取歴を詳しく確認後、主治医と相談する。
エビ・カニは特定原材料に指定されている。包装された加工食品は、原材料表示で含有の有無を確認できる。

食物アレルギー研究会 https://www.foodallergy.jp/tebiki/crustacean/

食品におけるアレルギー表示の対象について

株式会社 明治のウェブサイトによれば、「アレルギー物質の表示義務があるのは、容器包装された加工食品のみ」とされ、箱やポリ袋、缶、びん、ペットボトルなどの容器に詰められた(容器包装された)加工食品には、アレルギー物質(具体的な種類は次の項で)が一定量(数ppm、数μg/g)以上、常に原材料に含まれている場合、食品表示法に則った表示をすることが定められていると説明されています。

加工食品のアレルギー表示対象品目
表示の義務があるもの
特定原材料7品目
えび、かに、小麦、そば、卵、乳、落花生
表示が推奨されているもの
特定原材料に準ずるもの20品目
(注:義務ではないため、含まれていても表示されないことがあります。)
あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、 牛肉、くるみ、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン

特定原材料、およびそれに準じる21品目の中に、昆虫やセミ、コオロギといったワードはもちろん、見当たりません。

ちなみに、包装された食品以外、小売店のお惣菜や弁当やパンなどにはアレルギー表示の義務は無いとされ、外食のお料理にもアレルギー表示の義務は無いそうです。

以外に美味しい昆虫食、広く一般的な味覚として馴染めそうなので注意が必要なポイントもあるよっという話。

「セミ食べるの!?え~っ!」なんて言っている自分が、来年には「セミ美味しいね!捕りに行こうか?」なんて言ってるかも知れないほど、昆虫食の浸透スピードは早そうな予感がします。

低脂肪で高タンパク、おまけにビタミンやミネラル、食物繊維も豊富だとされ、食べてみたら、「美味しいね」となれば、そりゃぁもう続けて食べたくなるのが人の性。

その機運を追いかけるようにSDGs的な社会的意義で・温室効果ガスやアンモニアの排出が少ない・飼育に必要な水、飼料、土地などが少ないといったような環境面への効果、貢献が大きいことなんてことになりますと、大手を振って堂々と、セミ捕りに行けるってもんですね。

そうなってくる頃には、きっとパッケージ包装された昆虫食品の数も増えてアレルギー表示に、「昆虫」という記載が義務化されるはず、そう思うのです。

最後まで鳴く!!元気なセミを揚げたら家が大変なことに。。。

その前にセミや、コオロギは甲殻類?エビやカニと同じとなれば一躍、高級食材になってしまうかも・・・知れません。

捕りすぎ、食べすぎ注意!節度を持った食生活を!

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