やきとり缶とえば、おなじみのデザインのこちらの缶詰かと思います。
ホテイ 缶詰 やきとり + からあげ 7種類15缶 +薬味ばあちゃんの七味唐辛子10gセット
おなじみ、「ホテイのやきとり」として知られる「やきとり缶」ですが
「やきとり缶詰」は1970(昭和45)年7月、2kg缶入りの業務用商品として発売された。新ジャンルの商品を次々と発売してきたホテイにとっても、かなりの冒険だったのだろう。
やきとり缶詰 ニッポン・ロングセラー考 - COMZINE by NTTコムウェアかしこい生き方をを考えるオンライン・マガジン by NTTコムウェア
このように、1970年に発売されてから20201年の今日に至る、長い歴史を持ちます。
1970年代は、どういう時代だったのでしょうか?
「ホテイのやきとり」、やきとりの缶詰が世に出された1970年代。
やきとりの缶詰は、どんな時代背景のもと、世に出て人気を得ていったのでしょうか?
1955年(昭和30年)、敗戦復興の機運の中「高度成長期」を迎えます。
これまでの第1次産業中心の経済構造から、第2次産業、第3次産業に構造変化をもたらしました。
これは、これまで多くの世帯で農林水産業など「自営」という形で生計たてていたところ、学校を卒業したら「家業を継ぐ」という形から、企業に雇用され賃金で生計を立てるスタイルが一般的になってきます。
働き先の、企業、工場が大都市に集中する中、大都市へ人口集中が加速します。
このような時代背景から、生計の立て方、家族のあり方も大きな変化を迎えます。
核家族化が進み、これまでの拡大家族、大家族、複合家族と行った家族形態から、夫婦や親子だけで構成される家族の形にシフトしていきます。
wikipediaによれば、
概要 – 核家族
大家族に比較して、転居や住居の改造など居住に関するフレキシビリティーが高く、親類間のプライバシーが維持しやすいが、多人数で同居する大家族と比べて、親子三世代による家事労働や育児、家内労働の分担がしづらくなる。
核家族 - Wikipedia
核家族化で、家事や育児といった家内労働の分担ができず、さらには「核家族+共働き」と進んでいきます。
家族の形が変わることで、必然的に「一家団欒」-家族全員が集まって仲良く談笑したり楽しいひと時を過ごすスタイルも変わっていきます。
大家族時代は、3世代、4世代、親戚など一家団欒の「一家」の範疇だったものが、核家族化で、夫婦、夫婦+子といったスタイルへ変化していきます。
それまでは、一家団欒の食卓が楽しみの形であったものが、さらに共働き世帯の増加とともに、食卓を囲む風景も寂しいものと変わっていきます。
時代にマッチした「やきとり缶」、さらなる変化も
やきとり缶が人気を得て来たものと思います。
「やきとり」は、やきとり屋に行って食べるものでもありますが、70年代、80年代、90年代と、慌ただしい時代の中で、おうちで食べる「やきとり」として「やきとりの缶詰」も愛されつづてているのだと思います。
2000年以降の、ここ最近では「やきとりの缶詰」も時代の変化からか、その用途も様々、様々なシーンで、これまでと違った人気を得ることになります。
これまでは、酒のつまみや、御飯のおかずといったところだったものが、最近では
- キャンプ用の食料
- 防災用の備蓄食
としても人気・注目を集めています。
ちなみに、クックパッドにおける「やきとり 缶詰」に関するレシピ投稿は1000件近く投稿されています。
やきとりの缶詰を、材料として、比較的かんたんに美味しいメニューを作る!こんな調理材料としての用途として「やきとりの缶詰」が活用されています。
その流れで、キャンプ飯などのアウトドア食としての利用も増加しているものと思います。
さらに、2011年の東日本大震災以来、防災食、備蓄食としても缶詰の活用が注目され、ローリングストックなどの日常備蓄の延長での備蓄スタイルを形作る際にも、これまで、世の食卓に浸透している「やきとりの缶詰」の、備蓄食、防災食としての利用も注目されるのは当然の流れ。
開栓して、加熱しなくても常温で美味しく、日頃から親しんでいる味であればなおのこ備蓄食に向いていますし、缶詰の特性として賞味期間が長いことからも最適食材であると言えます。
時代のニーズとともに、もっと進化した「やきとり缶」は、もう缶詰ではない!
- キャンプ用の食料
- 防災用の備蓄食
キャンプやアウトドア食としても、緊急防災用の備蓄食としてのニーズが高まれば高まるほど「缶詰」であることのデメリットも強調されます。
缶詰は、外装が金属缶であることから、それ自体の重量が一定数を超えると持ち運びの障害になります。
また、キャンプ利用時など使用後の空き缶もかさばってしまいます。
防災時の備蓄食の場合も、緊急避難の際の防災リュックは、できるだけ軽量にしたいものですが、缶詰の金属缶であるデメリットが、ここでも気になります。
ですが、やきとり缶のメリットは
- その美味しさ
- 保存性
まず浮かぶのは、この2つですが、ならば
「美味しさはそのままに、軽量でかさばらない素材で、できるだけ長期保存が可能なもの」
このようなスタイルに、やきとり缶も必然的に進化する必要がある、といいますか、もうすでに、このような時代にニーズに対応しているのです。
やきとりの缶詰の、代表選手「ホテイのやきとり」も今や、レトルトパックタイプも発売され、これまでのように、その時代その時代の人々の生活に優しい進化を遂げています。
これであれば、キャンプ用の食材としても、防災時の備蓄食としての利用にも、缶詰の弱点を克服しているように思います。
パッケージの太字の毛質で描かれた「やきとり」の4文字も、イラスト、ここは発売当初のデザインを受け継ぎ、継続して使用されています。
ちなみに、このイラストは漫画家でデザイナーである「おおば比呂司」氏によるもの。
おおば比呂司
おおば比呂司(おおば ひろし、1921年12月17日 – 1988年8月18日)は、日本の漫画家、デザイナー。北海道札幌市出身。本名は、大場博司。
おおば比呂司 - Wikipedia
↓缶詰じゃない、やきとり缶の進化系
コメント