鶏(ニワトリ)の品種と銘柄鶏や地鶏について

鶏(ニワトリ)の品種と銘柄鶏や地鶏について お酒のつまみになる話
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「とりにく」を変換すると

鶏肉鳥肉と変換候補が出てきますが、一般的にお肉屋さんに売っている、「とりにく」は、前者の「鶏肉」で、クリスマスの七面鳥など、ニワトリ以外の「とりにく」を指すのが」「鳥肉」であろうと理解しています。

とりモモ肉とか、とりムネ肉というふうに、いつものお肉屋さんやスーパーで買える鶏肉=ニワトリの肉ですが、その鶏について掘り下げて見ていきましょう。

ニワトリ

ニワトリは、庭鳥とも変換されますが、庭で飼う鳥として鶏を指している。
この鶏は、キジ科の鳥類で、キジ科ニワトリ属に分類されます。

庭鳥、家禽として私たちが飼いならした現在の鶏の姿形は、紀元前4000年、それ以上前から野生のそれを人間が飼い家禽として来たことで造られています。

その始まりの野生種は、主に東南アジアに分布し、4種類存在するとされています。

  • 赤色(せきしょく)野鶏
  • セイロン野鶏
  • 灰色野鶏
  • 緑襟(あおえり)野鶏

この4種類で、その中の赤色野鶏がニワトリの祖先だと考えられています。

 

日本における鶏の歴史

日本列島に伝来した時代は良く分かっていない。愛知県田原市の伊川津貝塚からは縄文時代のニワトリが出土したとされたが、これは後代の混入であることが指摘されている。日本列島におけるニワトリは弥生時代(紀元前2世紀)に中国大陸から伝来したとする説がある。

弥生時代には本格的な稲作が開始されるが、日本列島における農耕は中国大陸と異なり家畜の利用を欠いた「欠畜農耕」と考えられていた。1989年(昭和64年/平成元年)には大分県大分市の下郡桑苗遺跡でブタ頭蓋骨が発見され、日本列島における弥生期の家畜動物の出土事例となった。ニワトリに関しては1992年(平成4年)に愛知県清須市・名古屋市西区の朝日遺跡から中足骨が出土している。以後、弥生時代のニワトリやブタは九州・本州で相次いで出土している。

ニワトリ - Wikipedia

このように、日本における鶏の歴史、その始まりは、よく分かっていないものの2000年~3000年前に、東南アジア~中国~日本というように伝わったものと考えられています。

それから、仏教の影響をうけ、日常的な肉食や卵を食べる習慣もほとんど無く、特に愛玩用、観賞用として、その独自の品種改良が進められることとなります。

奈良時代には、闘鶏が行われていた記録が残っているそうです。

江戸時代に入ると、鶏が産む卵の内、無精卵が孵化しないことがわかり、そのことから卵を食べても殺生として仏教の戒律に触れないこととなり、卵食が一般的になり、卵を得る目的で鶏が飼われるようになります。

また、野鳥があまり食べられなくなり、その代わりに鶏肉が重用されることとなり、更に明治時代の西洋化を経て、その利用は拡大することになります。

 

ニワトリの品種

ニワトリの品種には、主に卵の生産に重点が置かれる卵用品種、食肉の生産としての肉用品種、卵、食肉どちらにも重点の置かれる卵肉兼用品種、それらの食品用途として以外、食品生産とは無関係に、観賞用として飼育される観賞用品種の4つの品種群が存在します。

鶏肉として、国内で流通するニワトリは

  • 若どり(ブロイラー)
  • 地鶏
  • 銘柄鶏

の大きく3つに区別されます。

若どりは、白色コーニッシュと白色プリマスロックを交配させた品種で効率よく大量生産向きに改良された品種になっています。出荷までの飼育期間は60日前後足らずで、その体重は3kgを上回る。

続いて、地鶏については、在来種とされる明治時代までに国内で導入され定着した鶏の品種の烏骨鶏、尾長鶏、コーチン、軍鶏などの計38種の血が半分以上入っていて、資料期間や飼育環境などが日本農林規格によって定められた鶏のことを指しています。

在来種の血液が50%以上のもので、出生の証明ができること。
在来種の血液が50%以上のもので、出生※の証明ができること。
28日齢以降平飼いで飼育していること。
(平飼いとは自由に地面を歩き回れる環境で飼育すること。)
28日齢以降1㎡当たり10羽以下で飼育していること。
(ブロイラーの場合は、1㎡当たり16羽前後です。)

地鶏肉の日本農林規

◎在来種38種

会津地鶏
伊勢地鶏
岩手地鶏
インギー鶏
烏骨鶏
鶉矮鶏
ウタイチャーン
エーコク
横斑プリマスロック
沖縄髯地鶏
尾長鶏
河内奴鶏
雁鶏
岐阜地鶏
熊本種
久連子鶏
黒柏鶏
コーチン
声良鶏
薩摩鶏
佐渡髯地鶏
地頭鶏
芝鶏
軍鶏
小国鶏
矮鶏
東天紅鶏
蜀鶏
土佐九斤
土佐地鶏
対馬地鶏
名古屋種
比内鶏
三河種
蓑曳矮鶏
蓑曳鶏
宮地鶏
地頭鶏

銘柄鶏は、いわゆるブランド品種、ブランド鶏として生産者独自の飼育法、飼育基準など、その工夫で味の良いこだわりの鶏として生産されています。JASによる定義はなく、若どり系と赤系に分類されます。

若どりに対して、親鶏。九州で愛される種鶏も

 

親鶏は、採卵目的の鶏のことを言い、年間で約280個程度の卵を産みます。
飼育日数は約750日と種鶏よりも長いため、肉質は固く歯応えがあります。
ただ鶏肉のしっかりとした味、噛めば噛むほど出てくるしっかりとした旨味は、若鶏では味わう事のできない親鶏特有のおいしさです。
この為、鶏出汁及び鶏ガラスープは主に親鶏を原料としています。

親鶏とは | 種鶏と親鶏 | 南薩食鳥株式会社
種鶏と親鶏 種鶏とは 親鶏とは 親鶏とは 親鶏は、採卵目的の鶏のことを言い、年間で約280個程度の卵を産みます。 飼育日数は約750日と種鶏よりも長いため、肉質は固く歯応えがあります。 ただ鶏肉のしっかりとした味、噛めば噛むほど出てくるしっかりとし

若どりの飼育期間が50日~60日程度であるのに対して親鶏は750日。
採卵用の鶏で、産卵数が低下する2年目以降、食肉となる。
業界用語で、成鶏肉とも呼ばれ、肉質は固く、正肉としてスーパーなどに並ぶことはなく、ほとんど加工用・業務用として出汁やスープの原材料や、モモ肉だけは、宮崎名物の炭火焼きとして利用されるケースもあります。

そして、九州、特に鹿児島・宮崎で炭火焼きなどで供されることが多い種鶏をご存知でしょうか。

飼育期間は450日、若どり(ブロイラー)の親、肉用鶏の種鶏で、ひなを産ませるための父親と母親で、その役目を終えたあと肉用とされる。程よい歯ごたえで脂身の美味さが特徴的です。

種鶏

種鶏は、ブロイラーの飼育日数の9倍にあたる450日以上の育成日数をかけています。
一般的に肉の旨味は飼育期間が長いほど増すといわれており、種鶏は鶏本来のうまみと歯ごたえが味わえるのです。
又日本国内におけるブロイラーの飼育羽数は年間6億5千万羽に対し種鶏は500万羽と非常に希少な鶏です。
※ブロイラー(肉用鶏)は種鶏が産む卵から孵った雛を約50日飼育した鶏です。

種鶏とは | 種鶏と親鶏 | | 南薩食鳥株式会社
種鶏と親鶏 種鶏とは 親鶏とは 種鶏とは 種鶏は、ブロイラーの飼育日数の9倍にあたる450日以上の育成日数をかけています。 一般的に肉の旨味は飼育期間が長いほど増すといわれており、種鶏は鶏本来のうまみと歯ごたえが味わえるのです。 又日本国内における

鶏の炭火焼、宮崎名物の鶏の炭火焼は、黒く炭で燻されている外見が特徴的ですが、食べてみると、皮がコリッとした食感で、脂肪が旨く、肉質は歯ごたえがしっかりとして、それでいて硬いわけでもなく、旨味が中から染み出てくるような鶏肉の美味さが、今日、広く人気を得て、宮崎名物とされる所以だと思います。

そんな宮崎の鶏肉の美味さは、若鶏とはちがった飼育期間、その環境のちがいが現れたものだと言えるのではないでしょうか。

 

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