バーベキューでの肉の焼き方のコツは?
炭火で焼く!バーベキューにおける「焼き方」を詳しく見ていきましょう。
まずは炭火の特性を理解する!
ガス火と比較して炭火の場合、輻射熱と呼ばれる赤外線による加熱方式により、まんべんなく内側までじっくり加熱することができるのが最大の特徴。
熱の伝わり方には「対流熱」「伝導熱」「輻射熱」の3種類があるとされ、主に対流熱による熱伝導のガス火と違って、いわゆる「遠赤外線」、輻射熱による熱の伝わり方が炭火なのです。
遠赤外線は食材の表面をカリッと焼き上げ、旨味を閉じ込めるように表面を焼いた後、内部まですばやく火を通すとされます。
赤外線は、電磁波なので風の影響を受けず、そのため焼きムラなくまんべんなく焼き上げることができるとされています。
そのため、ガス火のように風の影響を受けやすい熱とは違って、アウトドア、屋外でもっとも有効な熱伝達手段とされます。
近火の強火は駄目、NGなんです!
炭火の場合、近火の強火で食材を焼くと、表面がすぐに焦げ付いてしまうため、その時点ではまだ内部まで火が十分に通らず、生焼けの状態になってしまいます。
バーベキューなど炭火焼、お肉を焼く場合など、内部まで十分に加熱することが衛生上必要になりますので、そういった意味でも「遠火」でじっくりと焼き上げたほうが良いこととなります。
直火で炭火焼きをした場合、食材の表面温度は250~300℃程になるそうですが、これは高温すぎます。強すぎることで近火の強火の状態、外側だけが焦げてしまう状態になります。
表面を焦がさないように焼くためには130~150℃が丁度よいとされています。表面を焦がさずパリッと、中まで火を通す為には遠火の強火でじっくり焼くのが最も効果的だとされています。
補足として、食材によって水分の多いものは、高めの温度170℃で焼いたり、逆に水分の少ないものは低めの100℃程で焼いたりと火力も調整する事が重要。
炭焼の極意は炭の配置にあり!
食材の状態によって炭火の配置をかえてあげ火力を調整します。
バーベキューでは、食材に合った火加減で調理することが、重要なポイントです。
炭を重ねた「強火ゾーン」
肉の表面を焼き固めて肉汁を閉じ込める時に使います。炭をフラット「中火ゾーン」
メインのクッキングゾーンとして使用します。炭を置かない「弱火ゾーン」
焼きあがった食材をエスケープしておく時や、間接焼きの調理に使います。アルミ皿やアルミホイルを敷いて、落ちる油をキャッチすると、グリルが汚れず、後片付けが楽になります。https://jbbqa.com/textbook/usecharcoal.html 日本バーベキュー連盟
火力の異なる3つのエリアを用意するスリーゾーンファイヤ
2つのエリアに分けるツーゾーンファイヤ
食材の状態や性質に応じた火力に対応して、炭火を調節してあげることが炭火焼美味しくしあげるポイントなのです。
その他、スプリット・スリーゾーン・ファイヤーと呼ばれる大きめの食材を調理する時に用いられるレイアウトスタイルで、両端にだけ炭を配置して中央には炭を置かない弱火ゾーンをつくり、食材は中央部分の弱火ゾーンに置いて、じっくりと時間をかけて調理するといった、ローストビーフやスペアリブ、バックリブの調理に最適な炭火レイアウトもあります。
ツーゾーンファイヤの場合、片方には炭を置かない弱火ゾーンを設けるスタイルで、一般的なバーベキューに適したレイアウトとされます。
焼肉・野菜や魚介類を焼く場合、焼きそばや餅やパンなどを焼く場合にも適したレイアウトスタイル
火力を3つに分けるスリーゾーンファイヤは、厚めのお肉を焼く場合、ブロック肉を調理する場合などに適しています。
ステーキや骨付きの鶏もも肉(チキンレッグ)や塊肉を焼き加減にあわせて火力コントロールしてあげることで最適な焼き上がりを演出してくれます。
その他、スプリット・スリーゾーン・ファイヤーと呼ばれる大きめの食材を調理する時に用いられるレイアウトスタイルで、両端にだけ炭を配置して中央には炭を置かない弱火ゾーンをつくり、食材は中央部分の弱火ゾーンに置いて、じっくりと時間をかけて調理するといった、ローストビーフやスペアリブ、バックリブの調理に最適な炭火レイアウトもあります。
食材、お肉の種類やサイズによってもぜんぜん違う焼き方指南
このように、お肉を焼く場合にもそのサイズや種類、レシピに応じて炭火をコントロールすることが非常に大事になっています。
「遠火の強火」で火力、温度を十分に把握して最適なコンディションで焼き上げる!
これが炭火焼きには重要なのです。
炭火の温度は燃焼時間とともに下がってくることも炭火の特徴です。
では、炭火の強火・中火・弱火を絶えず温度状況を把握することも大事なポイントになります。
屋外、バーベキューでその温度を測るには「ハンドテスト」といって、手のひらをグリルの網から、約15cmのところに手をかざし、耐えられる時間で調理温度を確認します。
参考秒数と温度
- 【強火ゾーン】3秒 230℃~280℃
- 【中火ゾーン】6秒 180℃~230℃
- 【弱火ゾーン】10秒 120℃~180℃
これら炭火の特徴を踏まえながら、炭火をコントロールして食材の最適な焼きあがりを目指しましょう!
炭火が美味しい理由
バーベキューに限らず、焼き鳥や焼き肉、焼き魚などなど、同じ調理でもガスで焼いたものよりも炭火焼きのほうが美味しく感じるのは思い込みなどではなく、ちゃんとした理由があります。
- 炭火はガス火の4倍もの遠赤外線を放ち放射熱で直接、高温で短時間に食材を焼き上げる
- 炭を燃やしても水蒸気が発生しない(水素を含むガスは燃焼時に水蒸気を発する)
炭火は、燃やしても水蒸気が発生しないので、食材をからっと焼き上げることができ、ガスよりも高温で、遠火の強火で遠くからムラなく焼き上げることができる。
肉や魚を低温で時間をかけて調理すると、焼き上がるまでにうまみが出てしまうが、炭火ならすぐに表面が焼けるので、うまみを閉じ込めるといった仕組みだ。
炭火で焼くことで「外はパリッと中はジューシー」に仕上げることができる。
先人の知恵といったもので、古くから炭火調理に使われる「七輪」は、その素材である珪藻土には、ケイ素=セラミックが多く含まれ、これに炭火の熱が伝わることで更に遠赤外線を発するので相乗効果で、炭火のメリットが引き出される仕組みなのです。
ちょっとした、家飲み用のおつまみに七輪でししゃもや焼き鳥をササッと美味しく仕上げて飲むひとときも格別ですよね!
さらに詳しく!簡単な火起こし方法
炭火の特性、炭火がうまい理由がわかったところで、炭に火をつけないと炭火焼きも始まりません。
炭の火起こしがスマートにできるとバーベキューもさらに楽しくなりますよ。
簡単な火起こし方法を見ていきましょう。
煙突効果を理解するところからがスタート
火の着け方には、ケースバイケースで様々な方法がありますが、まずは火が着いて燃える仕組みを理解するところ「煙突効果」から。
煙突の原理で火を熾す
燃焼を促進させる代表的なものとして、煙突があります。熱が上昇する原理を利用して空気の流れを作り、気圧の下がった燃焼部分へ自然に空気を供給します。
https://jbbqa.com/textbook/makefire.html 一般社団法人 日本バーベキュー連盟
煙突のような構造で燃やすことで、周囲の空気を取り込んで火がどんどん燃えてくれる。
簡単にいうとこんな感じ。
着火の際にも、このことを理解して、煙突効果が得られるような状況を作っておくことが点火して炭に火がつくには大事、必要ということです。
この動画のタイトルに「オガ炭」とありますが、オガ炭は一般的に火付が悪いとされます。成形炭で火持ちは良い部類の炭になります。
前回の記事にまとめたように、バーベキューや七輪での炭火焼では、どの種類の炭を使うかも成功の重要な要素になりますね!
その他、火起こしには便利なグッズも一般的に使用されるようになりました。
火おこしグッズを見ていきましょう。
器具、グッズを使った火起こし
最近では、便利な火おこしグッズを使うことで、比較的スムーズに簡単に炭に着火することができるようになりました。
そんな便利グッズを試して、常備しておくのも良いと思います。
ガスバーナー(トーチ)を使う
カセットコンロ用の家庭用のガスボンベに装着して使用するガスバーナー(トーチ)がも便利グッズの一つです。
設置した炭の一定箇所にバーナーの火を当て続けてゴリゴリ火を点けていきましょう。
カセットコンロ用のガスボンベは非常に便利でガスバーナーは炙り料理にも使えるので炙るだけのおつまみを作ったり大変重宝します。
チャコールスターターを使う
チャコールスターター、略してチャコスタも火起こし便利グッズ。
煙突効果を器具が作ってくれますので、炭と着火剤をチャコールスターターにセットして火を点け放置するだけで炭火起こしが可能。
放置しておけるので、その間他の作業ができる点も便利な利点です。
火起こし鍋を使う
お家でバーベキューや、七輪で炭火焼きをやるときなどに便利な火起こし鍋。
ガスコンロに炭を入れた火起こし鍋をかけて着火ができ、大変便利な古くからある火起こし便利アイテム。
屋外でもカセットコンロにかけて使ってもOK。
着火剤を使う
今では当たり前のように使う着火剤、種類も価格もいろいろです。
ですが注意したいのは、火をつけた際の煙や匂い、安価なものを求めていくと凄い煙と悪臭に後悔必至ですので気をつけましょう。
うちわを使う
便利グッズというわけではありませんが、うちわは火起こしには必須のアイテム。
着火した後も火力のコントロールにも欠かせませんね。
炭火の熱さにあてられたときも涼しい風を起こってくれる、ある意味、便利グッズかも。
お肉以外にも焼いて美味しいデザートメニュー等
お肉や魚、炭火焼きで美味しい食材は他にもありますよ。
焼きバナナ
お手軽食材のバナナを焼くだけで高い栄養効果も期待できるだけでなく、純粋にデザート、スイーツとしても美味しいのです。
更にバナナを加熱することにより善玉菌の餌となるオリゴ糖が増えるので、バーベキューでお肉をたくさん食べた後の消化を助けてくれたり、腸内環境を整える助けとなったりとオススメの炭火焼きレシピです。
チョコをはさんだり、アイスやヨーグルトをかけてもいいですねー。
起こした火は必ず完全に消化!あると便利な火消し壺
ご存知ですか?使っていますか?火消し壺。
もうその便利さを知ってしまうと手放せないマストアイテムです。
火消し壺、その名のとおり残った炭の火を消してくれるのですが、完全に安全・安心に消火してくれます。
さらには、消火後の炭は再利用もできる!
よくバーベキュー後に残った炭に水をかけている人を見かけます。
あれは止めたほうが良いNG行為です。
火が残る炭に水をかけると、ジューっと音ともに水蒸気と灰を巻き上げます。やけどの原因になったり大変危険です。
また、アウトドアでは山火事など深刻な事態を引き起こす原因にもなりますし、炭コンロ、バーベキューグリルの腐食や変形の原因にもなりますので、良いことなし、止めましょう。
火消し壺の使い方
- 炭火はトングで一欠片ずつ火消し壷の中に入れます。ダーッと流し込んだりすると極めて危険。熱いので皮手袋なども準備しておきましょう。
- 火消し壷の底面から熱が伝わり底面に影響を与えることがありので専用スタンドを使用したり、影響のない場所で消火を行いましょう。
- 炭をいれたら蓋を閉め、少なくとも1時間以上は蓋を空けないようにしましょう。
- 炭を入れた火消し壷は熱くなっています。誤って触ったり、子どもやペットが近づかないよう注意と配慮をしっかりとおこないましょう!
炭火についての基本知識を、まとめてみました。
バーベキューに限らず、家飲みのおつまみの焼き鳥や魚介類もささっと、炭火焼できると良いですね~。
なにわともあれ、火の始末、火の用心です。
十分な知識と注意を払って、楽しく炭火焼マスターを目指しましょう!
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