30数年前の1988年、日本国内でのワインの消費量は9万5000kl、10万kl以下でした。
それが今では、2017年の36万4000klと、30年ほどで約4倍近い伸びを見せています。
1988年といいますとバブル期として、日本国内が好景気に沸いている状況だったあの頃です。「ボージョレ・ヌーボー」大流行を経て、その頃よりも更に大きく拡大を続けている国内ワイン市場。
現在では、特別なものとしてではなく、極身近なお酒となっています。
コンビニでも、1本1,000円以下のボトルが数多く販売されていて、その生産国も様々でチリ産、オーストラリア産、ブラジルやイスラエルなどなど、ワインのイメージがほとんどないような国のワインも見かけるようになりました。
知っておきたいワインの有名な原産地(原産国)
世界的にワインが有名な国というば・・・!?
フランス
イタリア
スペイン
オーストラリア
チリ
こんな感じで思い浮かべることができます!
そのほか、アメリカ、アルゼンチン、南アフリカ、中国、ドイツ、ポルトガル、ルーマニアなどなど、主要なワイン生産国となっています。
生産量が多い上位4カ国は上から
フランス、イタリア、スペイン、アメリカということ。
年によって、イタリアとフランスの順位が入れ替わったり、この両国は同程度の生産量らいいですね。
イタリアは、フランスの国土の半分くらいのイメージですが、フランスと肩を並べる生産量を誇っています。それほど、ワインの原料となるブドウの栽培に適した気候風土だということなのかと思います。
ワインにおける旧世界、新世界って?
ワインの原産国、これらは二手に分けられます。
ワインの味も歴史も違う原産国ですが、大まかに旧世界(オールドワールド)と新世界(ニューワールド)と、大まかに分けられています。
大航海時代以降、ワイン造りが根付いていなかった土地に、ブドウの栽培から~ワイナリーの建設など、ワイン造りが広まった土地を新世界(ニューワールド)と呼ぶようになったそうです。
先程のワインの主要生産国で言えば、歴史的に見ると
フランス、イタリア、スペイン、ドイツは旧世界-オールドワールド。
アメリカ、チリ、オーストラリア、アルゼンチン、南アフリカ共和国などは新世界-ニューワールドに分けられます。
ヨーロッパの国が旧世界、その他が新世界といったイメージでしょうか。
ワイン品質によって分けられたものではなく、あくまでその歴史的な経緯から、旧世界、新世界と大別されているようですね。
新世界ワインには、旧世界のワインと比べて価格が比較的安いものが多いという特長があります。逆に言えば、旧世界のワインは高価なイメージ。また、果実味が豊かで香りや味わいがしっかりしているワインが多いこと、そしてアルコール度数がやや高めということも新世界ワインの特長となっていると言われます。
日本のワインも、新世界(ニューワールド)に分けられますね。
日本でワインが本格的に作られるようになったのが、約140年~150年ほど前。明治時代の初め頃になります。
甲府で初めて本格的なワインが作られたとされます。
近年では、北海道から九州にいたるまで各地で、様々にワインが作られています。
ワインの種類、赤ワインと白ワインの違いについて
ワインを種類別するときに、旧世界、新世界といった歴史でみた分け方の他、その色によって、赤ワイン、白ワインというふうに、色で大別できますよね。そのほかにロゼと呼ばれるものがあったり、まずは基本の赤ワイン、白ワインの違いについて見ていきましょう。
ワインは、なぜ赤くなったり、透明(白)だったりするのでしょう。
その違いは、赤ワインは皮が黒っぽい色をした黒ブドウを皮ごとつぶして、皮と種もそのまま漬け込んだ状態で発酵を進めるので、皮の色素も加わってあの深紅のワインとなります。
皮や種をまるごと漬け込んで発酵させた赤ワインは、ポリフェノール含有量が多いのも特徴です。
一方、白ワインは赤ワインとは醸造工程が違います。
白ワインに使われるのは皮の色が薄い白ブドウで、皮ごとつぶすところまでは赤ワインと一緒ですが、白ワインは発酵させるまえに果汁を搾り取って、皮や種などを取り除いてしまいます。そうして果汁だけを発酵させるのが白ワイン。
皮を取り除くことで、ブドウの色が含まれない透明なもの、黄金のような薄いクリアな色合いになります。赤ワインの渋みや苦味といった深みある味わいとは違って、口当たりがなめらかで、酸味が際立つような味わいが特徴と言えると思います。
ブドウの品種についての違い
ワインはブドウの品種によっても味や香り、色味に特徴があります。代表的なものを見ていきます。
赤ワイン用ブドウの品種
- カベルネ・ソーヴィニヨン種
世界で最も人気のある黒ぶどう品種とされます。色味が濃く、渋みもしっかりとした赤ワインになります。 - ピノ・ノワール種
ブルゴーニュの王様と称される、フランス、ブルゴーニュ地方が原産の赤ワイン用ブドウ品種。ブルゴーニュ以外では栽培できない品種と言われていましたが、現在では、アメリカのカリフォルニアやニュージーランドでの栽培成功を皮切りに、世界中で作られる国際品種になっています。 - メルロー種
メルロー種はフランス・ボルドー地方が原産の黒ブドウ品種。熟成するとトリュフのような香りをもちます。 - シラー種
原産地であるフランス・ローヌ地方とオーストラリアが2大産地とされ、それぞれ産地によって違った個性をみせます。 - カベルネ・フラン種
フランス南西部のボルドー地方原産の赤ワイン用ブドウ品種。明るめの色調で、程よくしなやかな渋味と酸味を合わせ持った繊細な味わいが特徴的。
白ワイン用のブドウの品種
- シャルドネ種
フランス ブルゴーニュ地方原産の代表的な白ワイン用ブドウ品種。シャンパーニュの原料としても有名。土地や気候、醸造方法によって影響を受けやすいとされ、同じシャルドネでも造られる地域によって味わいも異なるとされます。 - ソーヴィニヨン・ブラン種
フランスのロワール地方サンセールやプイィ・フュメ、またボルドー地方が有名。近年ではその特徴的なアロマが人気のニュージーランドや、カリフォルニアやチリでも評価の高いソーヴィニヨン・ブラン主体のワインが人気を集めている。
- リースリング種
リースリング(Riesling)とは、ドイツ原産の白ワイン用ぶどう品種。ドイツをはじめ、世界中の比較的寒冷な地域で栽培されている最も有名な白ワイン用の品種の一つ。ドイツワインを楽しむ上では欠かせない存在。 - 甲州種
日本を代表するワイン用ぶどう品種。カベルネ・ソーヴィニョンやシャルドネなど、世界中で栽培されているワイン用のぶどうを「国際品種」と呼ぶのに対し、日本を代表する固有品種。 - ピノ・グリ種
シャルドネやソーヴィニヨン・ブランのようなメジャーなブドウ品種に次いで人気の高いブドウ品種。ピノ・グリの香りはグレープフルーツ、はちみつ、マンゴー、パイナップルに例えられます。赤ワイン用品種であるピノ・ノワールの突然変異ブドウ品種。
いやー、代表的なものを調べただけでもいろいろあります。
ワイン選びの際に、参考にしたいですね。
フルボディ?ミディアムボディ?味の表現による違いについて
「フルボディ」といった表記を目にしますが、この「ボディ」とは何を示すものでしょうか?味の表現のひとつとして、味の深みや広がりを3種に分類して表現します。
- フルボディ・・・重みが強くコクがある赤ワインは「フルボディ」
- ライトボディ・・・口当たりが軽いものは「ライトボディ」
- ミディアムモディ・・・その中間くらいのものを「ミディアムボディ」
といったふうに、一般的には赤ワインの味の表現として使用されます。
一方、白ワインの場合は「甘口」「辛口」として、甘めの味か、スッキリとキレのあるドライんな飲み口のものを「辛口」というふうに表現します。
こまかくいうと、極辛口/辛口/中辛口もしくはやや辛口/中甘口もしくはやや甘口/甘口/極甘口として表現することもあります。
ワインの味の表現には他に7種、全部で8項目について、その要素を評価、表現します。
- アタック(口に含んだ第一印象)
- 甘味(甘味・果実味の程度、アルコールのボリューム感)
- 苦味(苦みの強弱、質)
- フレーバー(ワインの香味・風味、果実味)
- ボディ(ワインの重み、コク)
- 余韻(ワインの香味がとどまる時間、持続性)
ここまで明確に細分化された要素がありますが、ワインのテイスティングも大変なように感じます。ですが、この辺がワインを深く探求する際のテーマにもなってきますね。
ワイン初心者でも知っておいて損はなし!ワインの適温について
ワインには種類によって適温があります。
日本酒の場合も、同じように種類によって適した温度帯がありましたが、ワインもその温度によって違った表情を見せるのです。
例えば、赤ワインでは目安として
- フルボディは16~18℃
- ミディアムボディは13~16℃
- ライトボディは10~12℃
甘口の白ワインやスパークリングワイン、シャンパンは冷蔵庫で3~5時間冷やしてから飲みましょう。
ワインの種類と適温 | |
---|---|
赤ワイン | ライトボディ10~12℃ |
ミディアムボディ13~16℃ | |
フルボディ16~18℃ | |
白ワイン | 甘口は5~8℃ 辛口は7~14℃ |
ロゼワイン | 7~14℃ |
シャンパン | 4~10℃ |
スパークリングワイン | 5~8℃ |
ワイングラスの各部位の名前、知ってます?
ワインをフォーマルな場やレストランでで飲む際には、気になるのがマナー。
ワイングラスの持ち方ひとつとっても正しい基礎知識は必見です。
ワイングラスの各部、その名称について
最初に、ワイングラスのふち、唇が触れる部分を「リム」。
注いだワインが溜まる部分を「ボウル」と呼びます。
ワイングラスを支える細い部分、脚の部分を「ステム」、その下テーブルに接する部分を「フットプレート」と呼びます。
では、ワイングラスを持つときに、どの部分を持つのが正しいでしょうか?
これは、日本と世界でその正しい場所とされる認識に違いがあるようです。
よくTV番組などでみかけるのは「ステム」脚の部分を持つのが一般的なイメージですが、これは日本における独自の解釈、ローカルルールのようです。
このステムをもつ持ち方は、プロの方々がテイスティングをする際の持ち方として日本以外、世界では認識されているようです。
それでは、日本をのぞいた世界では、正しいワイングラスの持ち方、持つ場所はどうなのでしょう?実は「ボウル」をもつのが一般的だそうです。
ステムを持つほうが、ワインに手の温度が伝わりにくく正しいもちかたのようですが、それは日本ではポピュラーでも、世界ではそうではないという点も覚えておくと良いかもしれません。
少しややこしくなってきましたが、
ほかにも、
- ワインは自分で注がない
- 注いでもらう際にグラスを持ち上げない
- 乾杯ではグラスを合わせない(ぶつけない)
こういった最低限のマナーは押さえておきたいものです。
まとめ
知識が深まるとワインの味わいにも変化があるように思えてきます。
知って選ぶ、知って飲むといつものカジュアルなワインにも、また美味しさが加わるようですね。
あまり堅苦しくなりすぎない程度に「知っておく」ことで、ワインをより一層楽しみましょう!
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