8年前の2012年(平成24年)8月のこと。
「最後のレバ刺し」としてSNSで投稿されるユーザーが多数いました。
翌月の7月に牛の生レバーの提供が禁止になることを控えて、多くの牛レバ刺し、生レバ好きがこぞってレバ刺しを惜しむかのように食べる画像を投稿したのです。
厚生労働省 / 牛レバーを生食するのは、やめましょう(「レバ刺し」等)
平成24年7月から、食品衛生法に基づいて、牛のレバーを生食用として販売・提供することを禁止しました。 これは、牛のレバーを安全に生で食べるための方法がないため、もし生で食べると、腸管出血性大腸菌による重い食中毒の発生が避けられないからです。
牛レバーを生食するのは、やめましょう(「レバ刺し」等)
その後、2015年(平成27年)に豚の生レバー、豚のお肉や内臓の生食も禁止になりました。
厚生労働省 / 豚のお肉や内臓を生食するのは、やめましょう
平成27年6月12日から食品衛生法に基づいて、豚のお肉や内臓を生食用として販売・提供することを禁止しました。これは豚のお肉や内臓を生で食べるとE型肝炎ウイルスや食中毒菌による重い食中毒が発生する危険があるからです。「新鮮」かどうかは、関係ありません。お肉や内臓は中心部まで十分に加熱して食べましょう。
豚のお肉や内臓を生食するのは、やめましょう
なぜ、牛を含む生レバーの提供が禁止されたのでしょう!?
2000年5月以降、牛の生レバーを食べたことによる腸管出血性大腸菌O157感染発症事例が続きました。
共通して焼肉店をはじめ、飲食店で牛生レバーを食べていたことが判明しました。
2011年5月には、焼肉チェーン店において法域集団食中毒事件が発生、これを受け厚生労働省は2011年10月に生食用食肉の規格基準を改定し、2012年の法律改正へとなりました。
そこに至る過程で、様々な調査検証が行われ
- 牛がO157を保菌していること
- 牛レバー内部からO157が確認されていること
- レバーからのO157の除菌は困難であること
- 牛レバーからカンピロバクターも検出
これらのことから、牛レバーの生食禁止、提供禁止となるのです。
以降、生食用牛レバーの飲食店での提供も、販売も禁止されています、そのことを正しく理解して、家庭での生肉の取り扱いなどにも十分に配慮した食習慣を身に着けましょう。
勘違いしがちですが、牛ユッケは食べることができるんですよ!
生食可能な牛肉には、きちんとした規格基準があります。
① 腸内細菌科菌群が陰性でなければならないこと
② 加工及び調理は、専用の設備を備えた衛生的な場所で、専用の器具を用いて行わなければならないこと
③ 肉塊の表面から深さ1cm 以上の部分までを 60°Cで2分間以上加熱する方法又はこれと同等以上の効果を有する方法で加熱殺菌しなければならないこと
④ 加工及び調理は、生食用食肉(牛肉)の安全性確保に必要な知識を習得した者が行わなければならないこと
これらの厳格な基準を満たした、生食用の牛肉(内蔵をのぞく)は、いわゆるユッケ、タルタルステーキや牛刺、牛たたきとして提供することができるのです。
馬肉や馬レバーには、同様に生食できるような加工方法を定めた衛生基準がありますので、牛肉、および馬肉と馬レバーについては、生食もOKなのです。
ご注意
肉の生食には、食中毒のリスクがあります。たとえ生食用であっても、子供やお年寄り、妊娠直前、妊娠中の母体は食中毒に対する抵抗力の弱い方は、生食を控えてください。
牛肉ユッケなど、牛肉の生食好きの方には常識的な内容だと思いますが、8年前の6月を思い出しつつ、今一度確認してみました。
馬肉、馬ユッケと同様に牛肉の生食(ユッケ、タルタルステーキや牛刺、牛たたきなど)は、引き続き人気で、改定後の厳格な衛生基準を満たした飲食店などは少ないことから、なかなか外食で食べる機会も減ったかのように思いますが、衛生技術や設備の向上もあって、牛ユッケ、お取り寄せで基準を十分に満たしたピカピカのユッケも食べられるんです!
馬の生レバー、レバ刺しが安全とされる理由は、
牛や鹿などの反芻(はんすう)動物は消化管の中にO157を保菌しているのですが、それらに対し馬は反芻動物ではないことと、それらの動物よりも体温が高いため、馬の体内ではO157が生息できないことから、O157の心配はありません。
また、馬肉には厳正な安全基準が設けられていることから、馬肉とともに、O157のリスクがない、安心して食べることができるということになります。
ユッケ
韓国の生肉料理。漢字では「肉膾」と表し、「肉の刺身」を意味する。牛肉の赤身を細く切り、ゴマ油、ネギ、ニンニク、しょうゆ、砂糖などを合わせたタレで和え、中央に卵黄を乗せて松の実の粉を散らし、ナシの千切りなどを添えて提供するのが一般的。日本でも焼き肉店の定番メニューになっている。
ルーツは、ヨーロッパ東部のタルタルステーキと同じで、13世紀半ばに朝鮮半島がモンゴル帝国の支配下に置かれ、遊牧民族の肉食文化が普及したとされる。当時食べていたのは役牛で、その硬い肉を食べやすくするために刻み、生食に適さない脂身を避けて赤身の部位を使用したと見られている。19世紀末の料理専門書『是議全書』には、脂のない牛肉を血抜きして細切りし、ネギ、ニンニク、胡椒(こしょう)、すりゴマ、油、蜂蜜などを混ぜ合わせてもみこみ、松の実のみじん切りを加える、と記されているという。
日本でも近年、焼き肉店などで日常的に食べられるようになったが、一方で肉の生食による食中毒が頻発している。2011年4月から5月にかけて焼き肉チェーン店で発生した集団食中毒事件では、ユッケなどを食べた客が腸管出血性大腸菌O(オー)111に感染して4人が死亡、160人以上が発症した。厚生労働省は、1996年の牛生レバーによる大腸菌O(オー)157の食中毒事件を受けて「生食用食肉の衛生基準」を策定していたが、基準を満たしていない肉が生食用として飲食店で広く提供されている実態が明らかになった。ユッケ / コトバンク
ユッケ(ゆっけ)とは? 意味や使い方 - コトバンクデジタル大辞泉 - ユッケの用語解説 - 《〈朝鮮語〉》朝鮮料理の一。牛肉の赤身を細かくたたき、醤油・ごま油・砂糖・ニンニクなどで調味して盛り、中央に卵黄をのせたもの。
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