焼き鳥の部位の説明など、今までも書いてきましたが、今回は焼き鳥に限らず鶏肉の部位についておさらいしていきます。
全部知ってるよーっという人は、十分に鶏肉通ですね!
まず、鶏肉といえばカラアゲ、チキンカツ、チキン南蛮に、そう焼き鳥などなど、我々の食卓には欠かせないお肉ですね。
鶏肉の部位、その種類や栄養、味わいや特性など案外知らなかったりしませんか?
また、鶏肉といってもブロイラー(若鶏)、銘柄鶏に地鶏と3種類に分けられるところから。
何がどう違う!?ブロイラー、銘柄鶏、地鶏
ブロイラー(若鶏)
スーパーの鶏肉によく「若鶏」と表記されています。これがブロイラーですね。
ブロイラーは徹底した育種改変の研究により、過去50年間で成長率が1日25gから100gへとあがっている。その結果通常、鶏は成鶏に達するのに4?5か月かかるところをブロイラーは40?50日で成鶏の大きさに達するようになった。
ブロイラー - Wikipedia
出荷まで40日~50日くらいの短期間で出荷されます。大量生産がしやすく、全国的に流通している鶏肉の殆どが若鶏、ブロイラーだと言われます。
銘柄鶏
「〇〇〇鶏」という特別な名前(銘柄)がつけられた鶏のことです。
独自の飼育方法、飼料(エサ)や薬剤の不使用や、飼育環境などにも独自の工夫を凝らして育てあげられる銘柄鶏。
先のブロイラーとは違った工夫を加えているもの、といった内容かと思います。
地鶏
地鶏として表示するには品種・飼育期間などの条件があります。
古くから存在してきた在来種で、品種の明確な定義があり、大量生産向きのブロイラーとは反対に、その定義がゆえに大量生産ぬは不向きです。
他に、スーパーでも見かけることがある「親鳥」、飼育期間が40日~50日といった短期間なブロイラー(若鶏)に対して親鳥とは、飼育期間が、およそ450日~700日とされ若鶏の9倍以上の日数をかけています。加えて「親」と付きますので、卵を産んだことがある鶏のことを刺しています。
若鶏に比べて、しっかりとした歯ごたえがある食感で、飼育費管が長いことから旨味が濃いとされたりもします。
親鳥を種鶏として表示しているものもありますが、種鶏=親鳥です。
九州の南部に位置する鹿児島県や宮崎県では名物とされる鶏の炭火焼、もも焼きでは、鶏本来の旨味と噛みごたえを味わえる親鳥(種鶏)を使ったものが多いようです。
鶏肉の部位について
もも肉
足の付け根の部分で、脂肪が比較的多めの部位で味にコクがあるのが特徴。焼いて良し、煮て良しで日本人に最も好まれると言われるもも肉。
から揚げ、焼き鳥、ローストチキン、煮物、親子丼、水炊き、スープ、カレー、シチュー、ポトフなど
むね肉
胸の部分のお肉で、脂肪分が少なく高タンパク低カロリー。皮をつけて食べると少ない脂肪分を補え、あっさり淡白な味も強くなります。イノシン酸(旨味成分)を多く含み、抗酸化作用を持つアンセリンやカルノシンも多く含まれているのが特徴。
ブロイラーの胸肉は加熱しすぎるとパサつき固くなるので注意が必要です。
チキンカツ、チキン南蛮、焼き鳥、から揚げ、親子丼、サラダチキン、棒々鶏など
ささみ
胸の骨にそって1本ずつ、1羽から2本とれます。笹の葉型のその形から「ささみ」とされたのかなと思います。脂肪分はほとんど含まず味は淡白で肉質は柔らかです。低脂肪・高タンパクの代表的な部位です。
蒸し物、サラダ、チキンカツ、焼き鳥にも
せせり
首のところの筋肉、小肉やソロバン、ネックとも呼ばれるそうです。頸部から「せせりとる」ことからセセリという名前がついています。
脂肪分も適度に含み柔らかく、旨味も濃い部位です。
焼き鳥のせせりってどこの部位?希少部位の売ってるお店ってどこ?
手羽
翼の部分、付け根部分が手羽元、そこから先端の手羽先、手羽先は最先端の手羽はしと手羽なかに分けることもあります。
肉質も柔らかで、皮付きの状態で販売されますので適度な脂肪分とコラーゲン豊富なところがポイント。じっくり煮込むと骨から旨みも出ます。
水炊き、煮込み、スープ、から揚げなどに
レバー
肝臓、レバー、キモと呼ばれることも。ビタミンA、B1やB12が豊富で鉄分も多く含む部位。豚や牛のレバーよりも癖が少なく食べやすいのも特徴。ネットリとした食感で糖質が少なく、うなぎの4倍ともいわれる程のビタミンAが含まれます。
焼き鳥、煮物、炒めもの、揚げ物にも
ハツ
心臓。心臓を英語でHeart、複数形で「ハーツ」からハツと呼ばれるようになったようです。歯ごたえがあり癖も少ない。
モチモチとした弾力がある歯ごたえで、貧血に良いとされる葉酸を多く含み、ほか鉄分やビタミンAも豊富です。
焼き鳥、煮物、炒めもの、揚げ物に
焼鳥の「こころのこり」ってどこの部位?ハツとハツモト、丸ハツの違いを解説!
砂肝
鶏特有の部位で、歯がない鳥類は食物を噛み砕く歯の代わりに袋状の部位の中で砂粒を使って食物をすりつぶします。すりつぶすための筋肉の塊で脂肪がほとんどなく歯ごたえがります。その部位を砂袋や砂肝、砂ずりと呼びます。
癖はなく食べやすい部位です。
焼き鳥、炒めもの、揚げ物などに
さえずり
希少部位です。食道、気道の部位。
コリコリとして軟骨とは違った感じで、弾力があります。
焼き鳥に
やげん軟骨(ヤゲン)
胸骨の先にある細長い軟骨でコリコリとした食感。焼き鳥の人気の部位である他、から揚げにも使われます。
焼き鳥、から揚げに
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ひざ軟骨(ゲンコツ)
膝の関節部分の軟骨で、その丸い形状からゲンコツとも呼ばれます。
居酒屋などで、から揚げとして供されることが多いように思います。
から揚げ
きんかん
鶏の体内で卵になる前の卵。数珠つなぎになっているのが特徴的。煮物やおでんのネタや、すき焼きなどにも使われることもありますが、焼き鳥として出されることも。
おでん、すき焼き、煮物、焼き鳥
皮
脂肪が多く、対比として脂肪がほとんど含まれないササミと比較すると約5倍のカロリー(エネルギー量)。皮膚ですので潤いを保つためのコラーゲンも多く含みます。柔らかで濃厚です。
から揚げ、焼き鳥、炒めもの、煮物など
ぼんじり
尻尾の部分、尾骨まわりの希少部位。脂がのっていてもちっとした食感。別名をテール、またはその形状からサンカクとも呼びます。焼き鳥のメニューとして使われることが多く、鶏皮に次ぐ高カロリーな部位と言っていいと思います。
焼き鳥、から揚げなどの揚げ物に
もみじ
足です。九州地方ではよく目にします。東南アジアでもよく食べられるそうです。
スープ、煮物に
はらみ
牛や豚と同様に肉ですが、農林水産省の食取引規格ではモツ、内蔵として扱われます。鳥の内臓をガードする横隔膜に相当する部分。豚や牛のハラミと違うのはコリコリとしたとくとくな食感で、豚や牛のハラミの肉々しい感じとは違ったイメージ。
焼き鳥、炒め物に
エボシ(とさか・鶏冠)
ニワトリの頭、頭頂やくちばしのまわりにあるトサカ。雄の方が雌よりも大きくなるそうです。
皮膚があのように発達した器官で、赤く見えるのは毛細血管が多く含まれるから。
トサカはヒアルロン酸の抽出原料なのだそうです。イタリア、スペイン、フランス、中国でも食材として使用されるそう。
血抜きをした新鮮なトサカを生のまま、お刺身のように食べたりもするみたいです。私は以前、焼き鳥屋さんで食べたことがります。
焼き鳥、その他
その他にも、部位としてではなく焼き鳥や料理の材料としての通称?として、鶏の部位には多数の呼び名があります。
しびれ、アズキ、セギモ、シロ、シラコなどなど、焼き鳥店で希少部位としてお目にかかれる呼び名でもありますね。
ケンタッキーフライドチキン(KFC)にみる鶏肉の部位、名称
フライドチキンの代名詞、ケンタッキーフライドチキン(以下、KFC)。
オリジナルチキンには、いろいろな部位がありますよね。
KFCのオリジナルチキンは、KFC社独自のカット方法で、一羽の鶏肉がこの様に分けられます。
- ウイング
- リブ
- サイ
- ドラム
- キール
この5種類ですね。
以下の画像は、ケンタッキーフライドチキン公式サイト「オリジナルチキン」のカット方法から
ウイングが手羽
リブが肋の部分で、サイが腰の部分
ドラムが脚
キールが胸
KFCのオリジナルチキンでいうと
ウイングは手羽の部分で、引き締まった肉質でさっぱりとしながらも脂肪やゼラチン質のジューシーさもある部位です。
リブは肋の部分と言われなくても分かるくらい、肋骨が主張していますね。さっぱりとした印象の部位。骨まわりの旨味まで食べられますね。
サイは腰の部分なんですね!サイズが大きいのがポイント高いです。プリプリとした肉質でジューシーなのも満足度高いです。肉と脂のバランスも好みです。たまに黒いのがついてたりしますが、あれは腎臓なのだそうです。砂肝やレバーと同様に食べられるんですよ。
ドラムは足の部分、持ち手があるような感じで食べやすい部位です。程よくジューシーで人気な部位だそうです。
キールは胸の部分にあたり、全体的にさっぱりと食べられますね。軟骨とかもコリコリしてて、個人的にサイに次いで好きな部位です。
KFCのようにさばき方によっても、部位ごとの呼び名が違ったりもしますし、基本的にもも、むね、ささみ、皮、砂肝、心臓、肝臓は、鶏肉の部位として表示されて、あとは通称、呼び名だったりで、目的や地方でも、呼び方が違ったりするようですね。
焼き鳥の希少部位が人気なようですが、鶏肉自体の部位をおさらいすると「あーあの部分ね」と納得しながら食べられますので、ぜひおさらいとして活用いただければと思います。
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