「スピリタス」ご存知でしたか?
ポーランドが原産の世界最強とも言われる、アルコール度数96度のウォッカ「スピリタス」。
このスピリタスが、品薄、売り切れなのだそうです。
私自身、スピリタスの存在自体を知りませんでした。
そんな、知らないお酒(スピリッツ)が売り切れるほど、人気を集めているとなると気になりますねぇ。
スピリタス商品紹介
世界最強のお酒として知られています。厳選されたライ麦を主体とした穀類が原料となります。70回以上の蒸留を繰り返すことで96度の高濃度に仕上がります。 96度というアルコール度数はウオッカというよりも精製スピリッツと呼ぶのが相応しいでしょう。本来ですと、原酒として活性炭濾過や割り水をしてアルコール度数を低くしたものが大半です。ポーランドでは、古くから家庭で薬草や野生の果実などを高濃度のウオッカに漬けこんでフレーヴァード ウオッカとして楽しむ習慣があります。その時に使われていたのがこのスピリタスです。例えば、レモンの皮と砂糖を入れ、10日以上寝かせて自家製レモンチェッロなんていかがでしょうか。
原材料・成分
穀物
使用方法高アルコールのため、火気厳禁です。
安全警告
高アルコールのため、火気厳禁です。
消毒用アルコールの需要急増にともない品薄傾向なスピリタス
消毒用アルコール製品が、ことごとく売り切れで、手に入らなく立ってきたところで、このアルコール度数96度のスピリタスも品薄傾向だそうです。
2020年4月10日現在、Amazonでの販売価格は500mlで「5,600円より」となっています。
通常期であれば、2,000円弱で手に入るはずのスピリタスが、なんと倍以上のお値段に高騰しています。
マスクや、消毒用アルコール商品と同じく、品薄、品切れ、在庫があっても通常期よりもかなり高額になっているという状態となっています。
実際には、2月下旬から国内注文の増加傾向に合ったそうで、民放ニュース番組で2月25日、スピリタスを輸入・販売している商社に対し、手指の消毒に使える、という風説をもとに取材、その内容を放送したことからスピリタスの品薄、品切れ状態が発生したとされています。
アルコール度数96度とされているスピリタスですが、消毒用アルコールとして、実際のところ使える?のかどうか、まずは「消毒用アルコール」の基準を調べてみました。
消毒用アルコール
炭素数の少ないアルコール(低級アルコール)は容易に生体膜を透過する一方、中程度の濃度以上では両親媒性を持つために、細胞膜など脂質膜やタンパク質を変性させる生理作用を有する。そのような物理化学的作用を持つアルコールのうち、エタノールやイソプロピルアルコール(IUPAC名は2-プロパノール)など、ヒトへの毒性が相対的に低いものが消毒用に利用される。
中程度の濃度以上のエタノールや2-プロパノールでは、具体的には、原核生物である細菌などに作用すると、タンパク質の変性や溶菌などの殺菌作用をあらわす。また、ヒトなどの局所作用として収斂作用が現れる。つまり、ある程度水が存在する状況では、アルコールが膜を変性すると共に、透過したアルコールなどが菌の内圧を高め溶菌などの作用をあらわす一方、高濃度ではタンパク質の構造水などの脱水作用が生じるため、変性作用が強く現れる。
つまりアルコール度数が高い物は、脱水作用により細胞膜など外膜に対して浸透圧による外圧が加わり、溶菌作用を減弱させるように作用する。したがって消毒用エタノールの濃度は、76.9~81.4 vol%のエタノールが、殺菌として最も強い作用を表す。
日本薬局方では、消毒用エタノールは以下のように規格が定められている。
・エタノール 76.9~81.4 vol%
酒税法の関係で、イソプロピルアルコールを添加したものは「消毒用エタノールIP」という規格になる。
消毒用アルコール - Wikipedia
「なーんだ!消毒用アルコール度数って76.9~81.4なら、スピリタス薄めて使えるね!」
こう考えてしまうのも必然かもしれませんね!
厚生労働省の「新型コロナウイルスに関するQ&A」
この中で、同省が「アルコール消毒(70%)などで感染力を失うことが知られています。」と示していることから、アルコール消毒製品を買えずに悩んでいた人は、アルコール度数の高い飲料用のアルコール製品を買って代用しよう、という流れができても仕方ないのかも知れません。
実際に、消毒用アルコール商品として販売されているものの多くが「76.9~81.4vol%」のエタノール度数と示されています。
そもそも飲料用のアルコールが消毒用として代用可能かどうかについて
まず、消毒用として適しているアルコール度数は「76.9~81.4」とされていました。
スピリタスのアルコール度数が96度と、スピリタスのほうが消毒用よりも高いアルコール度数ですよね。
消毒用としては、アルコール度数が高すぎても、ウイルスなどの消毒用としては適さないとされます。
あまり高すぎるアルコール度数は、「燃えるし危ない」「消毒用には危険で不向き」「揮発する速度が早すぎて消毒用として機能しない」などの記載を多く見つけました。
高濃度のお酒に含まれているアルコールも、消毒用アルコールに含まれているアルコールも同じエタノールなので、成分としての違いはないようですが、濃度によって適正があるということになりますね。
また、飲料用、お酒としてのアルコールが、どこまで消毒できるのかは、その消毒効果も検証されているはずもなく、心配な要素が多いようです。
なのですが!、ここに来て国内の酒造メーカー各社から、様々アルコール度数の高いスピリッツが販売されるというニュースが、賑わいを見せています。
他にも、請福酒造(沖縄県)、笹の川酒造(福島県)、若鶴酒造(富山県)などなど相次いでプレスリリースしています。
これらは、あくまでも飲用のお酒であって、ただアルコール度数が消毒用のものと同等の濃度であるということなのです。
緊急の代替措置として、高濃度エタノール商品を代替えするという措置なのかと思います。
早く、この状況が収まって、飲用のアルコールは飲用として美味しくいただきたいと、そう思う今日このごろです。
それにしても、国内酒造メーカー各社さんの、スピード感のある対応にはびっくりするとともに、心強さも感じたところです、ありがたい対応だなぁと思いました。
くれぐれも、高濃度のアルコールを扱う場合は、その危険性も改めて確認して利用したいものです。
新型コロナウイルス お酒で消毒の実際(2020年3月17日 20時49分)
スピリッツ好きには、消毒用としてはもったいないのですが・・・
「凍らないお酒、スピリッツ」
私の家の、冷凍庫にもアルコール度数の高いスピリッツ(ウォッカ)が1本、常備しています。
長く冷凍庫にありますが、液体は凍っていません。
一般的な冷凍庫は、だいたい-15℃程度かと思います。
40度くらいのウォッカ(スピリッツ)が凍るには-30度ほどの凍結温度が必要なはず!
我が家のウォッカも凍っていませんがトロトロな状態をキープしています。
蒸溜酒のことを指すスピリッツ。
スピリッツ (Spirits)
日本の酒税法で、焼酎、ウイスキー、ブランデー、原料用アルコール以外の蒸留酒類等であって、エキス分が2度(2%)未満のものの総称。
スピリッツ - Wikipedia
スピリッツ、魂、精神?、スピリッツは「火の酒」
サントリーの「スピリッツ入門」にはこう書かれています。
スピリッツは精神。酒の世界では蒸溜酒のことを指す。・・・
蒸溜酒を簡単にいえば、醸造酒(発酵液)を熱して沸点の違いを利用して水よりも低い沸点のアルコールを気化させ、さらにそれを冷却して液化させ、もとの発酵液よりもアルコール濃度(度数)の高い液体(スピリッツ)となったものである。
簡単にいえば、ビール状のものを蒸溜すればウイスキーに、ワイン状のものはブランデーとなる。
蒸溜酒は高温で熱してつくる火の酒であり、火の酒は人間の魂にはたらきかけ、肉体を目覚めさせ、また活力を与える。だからスピリッツというのだろう。・・・
フランス、イタリア、スペインなどのブランデー、オランダのジュネヴァ(ジン)、ロシアやポーランドのなどのウオツカ、北欧のアクアヴィット、アイルランドやスコットランドのウイスキーなどさまざまな土地で、入手可能な原料を使って個性的な香味が誕生していく。ただし7世紀のスペインではワインをすでに蒸溜していたともいわれている。大航海時代には蒸溜技術がヨーロッパから海を渡り、カリブの島々や新大陸に伝播しラムが生まれる。またその後メキシコのテキーラが誕生する。日本では14世紀に沖縄に蒸溜技術が伝わり、泡盛の製造がはじまる。その後、九州で焼酎がつくられようになった。
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そういった意味ではスピリッツ、日本においては、泡盛や焼酎もスピリッツ、魂に働きかける火の酒、活力を与えてくれるスピリッツなんだぁと、一人納得したところです。まぁ、酒飲みの独り言的な・・・。
世界の4大スピリッツは
- ジン
ジンは大麦麦芽やトウモロコシなどの穀物を糖化、発酵、蒸溜。 - ウォッカ
ロシア、アメリカをはじめ東欧、北欧などでつくられている蒸溜酒。ライ麦などの穀物やジャガイモなどの芋類が主な原料。 - テキーラ
メキシコを原産地とする蒸溜酒。竜舌蘭の一種であるブルーアガヴェが主原料。 - ラム
カリブ海の西インド諸島生まれ。サトウキビの糖蜜や搾り汁を発酵、蒸溜。
総じて、アルコール度数が高いイメージですねぇ。
私は、カクテルベースとして使うことが多いですが、ショットグラスでストレートで飲む、あの感覚も楽しみのひとつですね。
ちなみに、我が家の冷凍庫に眠る凍らないウォッカは、たまにグラスに氷を入れてウォオッカとジンジャーエールを注いで、ウォッカバックっていうんですかね?それと、先のジンジャーエールを炭酸水に変えれば「ウォッカトニック」、簡単にできるカクテルを作るときに使います。
簡単にチャチャッとできるので家飲みにはピッタリのウォッカベースのカクテルです。
テキーラはショットガンで、ガバガバ飲んでひどい目に合ってから、我が家ではストックしていません。
最後に、メタノールは消毒に使っちゃ絶対ダメです!
アルコール、エタノールに対して「メタノール」、似ていますが絶対に間違えちゃいけないやつです!
燃料用として使われるメタノールを、間違えて消毒用として使うと大変なことになります。
エタノールは酒の成分と同じですが、燃料用として用いられるメタノールは有害、原液は劇物扱い、これは絶対に間違えちゃいけないやつです。ご注意ください。
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