私のどぶろくのイメージ、真っ白くてドロッとした見た目は甘酒、自家製でアルコール度数は高く昔ながらのお酒です。
当然、自家製なので日本酒の仲間だと思っていたのですが、どうやら違いがあるようです。また今では自家製酒は違法になるようです。
今回はどぶろくと日本酒の違い、自家製酒の違法性についてお話しします。
スポンサーリンク
どぶろくと日本酒の違いは何？
まずどぶろくと日本酒の違いは何なのでしょうか。
どぶろくも日本酒も米と米麹、水を原料に、発酵させて造るお酒です。
どぶろくは、醪（もろみ）と呼ばれるどろどろの状態のままのお酒で、「醪酒（もろみざけ）」とも呼ばれます。
日本酒は醪のなかで溶け切らずに残った麹や蒸米を濾し、「清酒」となります。
だからどぶろくと日本酒の違いは、「上槽（じょうそう）」と呼ばれる工程を行うか、省くかの違いになります。
また、「どぶろく」と見た目がよく似た飲み物に、「濁り酒」や「甘酒」がありますが、濁り酒は醪を粗く濾したお酒なので日本酒になり、
甘酒は「酒」とついていますが、アルコールを含んでいないので、清涼飲料水に分類されます。
アルコールのない甘酒との見分けは簡単そうですが、どぶろくとにごり酒の違いは見た目が似ている分難しそうですね。
自家製が違法違法な理由とは？
米と米麹、水を発酵させるだけで造れるどぶろく、元々農家をはじめ各家庭で造られてきたお酒です。
簡単そうなので「一度試しに作ってみよう」と思った方も多いことでしょう。私も作ってみたい！
ところが現在、どぶろくを自家製で造ると違法になるようなのです。
遠い昔は当たり前のように、各家庭でどぶろくを造っていましたが、1899年（明治32年）、政府の税収増の政策により、お酒の醸造には免許が必要となり、自家醸造は禁じられました。
その理由を探ると、国の施策が関係していたようです。
当時の国税に占める酒税の割合は３割を超えていたため、酒税により収入を維持したかったため、国は自家醸造を禁止したのです。
しかし現在では国税のうち酒税が占める割合は約２％に落ち込んでいますので、自家醸造を禁止した当時の目的はすでに希薄となっていて、少々、時代にそぐわなくなっていますが、現在においても自家醸造を認めないとする法律（酒税法）は現存しているのです。
2002年、地域活性化を目的に制定された、どぶろく(自家醸造酒)の製造、販売(現地消費に限る)が許可された特別区域なる「どぶろく特区」というものも存在しており、現在は日本全国に約120あります。
自家製酒が違法ということはたくさんの方が家で作る果実酒も違法なのでしょうか。
果実酒の場合、個人的に作ることは酒税法違反ではありません。
なぜなら、お酒（アルコール）自体を醸造するのではないからです。
自宅で果実酒を作るときは、好みの果実と氷砂糖とホワイトリカーを買ってきて、瓶に入れて漬ける方法だからです。
ただし果物であっても「ぶどう」と「やまぶどう」を原材料にする果実酒は違法になるようなので注意しなくてはならないようです。
スポンサーリンク
自家製どぶろくで罰金って本当？
では自家製どぶろくなど違法にお酒を造った場合、罰金を払わなくてはならないの？
「個人で飲む」という自家消費であっても、免許なしにお酒を造ると、密造として酒税法第54条により、10年以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられるとともに、製造された酒類、酒母、もろみ、原料、副産物、機械、器具又は容器を所有者の如何に関わらず没収されることになっています。
酒税法では「酒類」をアルコール分1度（＝エチルアルコール容量で１％）以上の飲料としており、もしこれを超えるアルコール度数の飲料を免許を受けないで製造した場合には、個人による自家消費を目的とした「どぶろく」であっても、酒税法違反となります。
現時点では、自家製どぶろくであっても、罰金を支払うことになるということで、間違いなさそうです。
今後の法改正で、より楽しめるようになればいいですね。
コメント