豚は鳴き声以外すべて食べる!
沖縄では、豚を余さず食べることから、そのように言うのだそうです。
沖縄と豚肉とくれば、よく連想するのがミミガー(耳皮)やチラガー(面皮)といった耳の部分や、顔の皮の部分を市場で広げているような写真だったりします。
ラフテーと呼ばれる、沖縄風のトロトロに煮込まれた豚の角煮や、名物ソーキそばの、ソーキも、豚ばら軟骨を、軟骨もトロットなるほど煮込んだものです。
ソーキ
ソーキとは、沖縄で一般的に豚の骨付きあばら肉(スペアリブ)のことをさす。
「ソーキ」とは梳(すき)の訛りで、豚の肋骨が櫛に似た形状であるため、あばら肉もソーキと呼び習わすようになった。骨付きであるため「ソーキ骨(ブニ)」とも呼ばれ、昆布や大根・冬瓜などと煮込んだ汁物「ソーキ汁」にしたり、昆布、大根、豆腐などと共に「煮付け」として食される。 また、沖縄そばの具材としても用いられ、ソーキがのった沖縄そばを「ソーキそば」と呼ぶ。
ソーキ - Wikipedia
個人的には「骨汁」も、沖縄のお料理の中で大好きなメニューです。
沖縄の汁物は、魅力的で本当に美味しいものが多くて、「みそ汁定食」って頼むと、具沢山のボリューム満点の味噌汁とご飯が出てくるし、その他、中身汁(なかみじる)、スミ汁(イカスミ汁)、アーサ汁、山羊汁、あと、むじ汁、ここまでは食べたことがありますが、食べたことがないものでも、ひーとぅー汁、アバサー汁、あひる汁、イラブー汁、イナムドゥチとか聞いたことがあるけど、全く何が入っているのか想像がつかないものまで、ほかにもきっと数多くの味噌汁が存在すると思われます。
中身汁
味噌汁で脱線してしまいましたが、豚についても日本国内沖縄県以外では、なかなかお目にかかれないような部位や、めったに食べれれない部位や、お料理があって、ホント豚肉の隅から隅まで、無駄なく食べ尽くす、そんな沖縄の豚肉愛が感じられるのです。
沖縄で豚足は「てびち」?「ちまぐ」?呼び方が2つ?
てびち=豚足、というのは沖縄県人でなくとも、名前を聞いたことがある人が多いのではないでしょうか。
一般的に、豚足と呼ばれる部位を沖縄では「てびち」と「ちまぐ」と分けて呼ぶそうです。正確に言うと、豚足をスネに近い部分を含む部分~足先までの豚足と、足先に近い部分のみで呼び方が、それぞれにある、ということ。
- スネに近い部分から足先を含む豚足=てびち
- 足先に近い部分の豚足=ちまぐ
ドイツを代表する家庭料理のアイスバイン、それに使用する部位が上の商品ですが、これは足先を含まないスネの部分だけを指します。
一般的に豚足は、上の商品のようにスネに近い部分から足先までを含む部分で、沖縄ではこれを「てびち」と呼びます。
それに対して、足先部分を「ちまぐ(チマグー)」。
ちなみに、私の沖縄の友人は「ちまぐ」を知りませんでした・・・。
台湾では、前足を「猪手」、後ろ足は「猪蹄」として前後で区別するそうですよ。
豚足といえば、あのプルプルのコラーゲン!
豚足の魅力というと、あのプルルンっとした皮と、皮の下、骨との間の部分ですよね。
豚足に含まれるコラーゲンは、動物の骨や皮膚に多く存在するタンパク質です。
人の体でも必要とされるタンパク質のうち、その1/3はコラーゲンだと言われています。
コラーゲンが、人の体を形成する骨や筋肉、血管などなど、人体の大部分に必要な成分であることがわかります。
よく、コラーゲン配合の化粧品だとか、ローションやクリームとかを目にしますが、コラーゲンには皮膚の弾力を高めたり、保湿する働きもあるそうです。
なるほど!化粧品などに「コラーゲン」と書かれているのはそういうことかと、豚足から紐解いて納得です。
○茹でた豚足 100gあたりの成分
エネルギー(カロリー) | 230 kcal |
水分 | 62.7 g |
タンパク質 | 20.1 g |
脂質 | 16.8 g |
飽和脂肪酸 | 4.99 g |
一価不飽和脂肪酸 | 9.21 g |
多価不飽和脂肪酸 | 1.35 g |
コレステロール | 110 mg |
炭水化物 | Tr g |
食物繊維 | (0) g |
水溶性食物繊維 | (0) g |
不溶性食物繊維 | (0) g |
ミネラル | |
ナトリウム | 110 mg |
カリウム | 50 mg |
カルシウム | 12 mg |
マグネシウム | 5 mg |
リン | 32 mg |
鉄 | 1.4 mg |
亜鉛 | 1.0 mg |
銅 | 0.07 mg |
マンガン | – mg |
ヨウ素 | – μg |
セレン | – μg |
クロム | – μg |
モリブデン | – μg |
ビタミン | |
ビタミンA | 6 μg |
レチノール | 6 μg |
β-カロテン当量 | (0) μg |
ビタミンD | 1.0 μg |
ビタミンE | 0.4 mg |
ビタミンK | 1 μg |
ビタミンB1 | 0.05 mg |
ビタミンB2 | 0.12 mg |
ナイアシン | 0.7 mg |
ビタミンB6 | 0.02 mg |
ビタミンB12 | 0.4 μg |
葉酸 | 1 μg |
パントテン酸 | 0.16 mg |
ビオチン | – μg |
ビタミンC | 0 mg |
食塩相当量 | 0.3 g |
皮付きのもの
廃棄部位:骨
():推定値または推計値
豚足には、多くのタンパク質が含まれます。
他にも、カリウムやナトリウム、カルシウムや、マグネシウムといったミネラルも豊富で、ビタミンA、レチノールやβカロテンなど体内でビタミンAとなる成分や、ビタミンD、ビタミンB群も豊富です。
一説によると、コラーゲンを食べても、そのままでは吸収されないので食事でコラーゲンを摂取しても、あまり意味がない
といった、経口摂取でのコラーゲンの効用に否定的な解説を見たり、読んだりしますが、私自身は、豚足を食べた翌日、お肌が無駄にプルプルしている気がするのは気のせいでしょうか?
中国や、台湾では豚足を食べると母乳の出が良くなるとされているそうです。
2017年放送の、NHKのためしてガッテン「決定版!コラーゲン100%活用SP」
こちらでは、近年の研究で、コラーゲンペプチドの状態で吸収されたものが血液にのって体中を巡ることで、傷の回復や痛み・炎症の緩和などに役立っているのではないかと、されています。
コラーゲンを含む豚足のような食材を食べることで、体に直接的に、そのコラーゲンが吸収されるわけではありませんが、コラーゲンペプチド(低分子コラーゲン)の状態で吸収されたものが、体の中でコラーゲンや、お肌のハリに欠かせないエラスチンやヒアルロン酸などの物質を生成することが判明しているとのこと。
体内でコラーゲンを生成するためには、ビタミンCやリジンやプロリンといったアミノ酸が必要だとされますので、豚足だけではなく、バランス良く食事を摂ることが前提にはなるようです。
最後に、豚は豚肉以外にも内蔵や、豚足にいたるまで豊富な栄養素を含みます。
沖縄県の伝統食材として、豚が愛され続けているには、美味しいという味覚的な要素以外に、栄養面でも、非常に優秀なのです。
豚肉以外にも、ミミガー(豚耳)や豚足といった部位も気軽に美味しく食べていきたいと思います。
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