お酒の熟成について。熟成すると味わいも変化する?

お酒の熟成について。熟成すると味わいも変化する? お酒のつまみになる話
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ビンテージワイン、○○年もののウイスキーといった年代物の希少性、貴重性はそれらのお値段にも反映されていて、明確にその価値を示しています。

沖縄の泡盛のクース(くーす)は、感じで「古酒」と書いて「クース(くーす)」と読みます。
こちらも、長期熟成された泡盛でとして、ワインやウイスキーのビンテージ、年代物のそれと同じく、熟成された価値を一般にも認めらています。

古酒と書いて、

  • こしゅ
  • ふるさけ
  • くーす

 

こしゅ

1 長い間熟成させた酒。

2 清酒で、当年に醸造した新酒に対して、前年の酒。また、3年以上貯蔵した日本酒。長期熟成酒。《季 秋》「菊作る労—を酌むいとまかな/東洋城」

 

ふるさけ

《「ふるさけ」とも》去年以前に仕込んだ酒。長い間貯蔵して熟成させた酒。こしゅ。

 

くーす

《多く「クース」と書く》泡盛の古酒(こしゅ)。3年以上、甕(かめ)で寝かせたもの。

https://www.weblio.jp/content/%E5%8F%A4%E9%85%92

 

このように、日本酒にも長期熟成された古酒(こしゅ)があるそうです。

成古酒の製造に関する技術交流と市場の開発を目的とした、酒造会社による任意団体である「長期熟成研究会」によれば

長期熟成酒研究会 | Association for Long Term Aged Sake

満3年以上蔵元で熟成させた、糖類添加酒を除く清酒

これを熟成古酒として定義しています。

吟醸酒、純米酒、本醸造酒など「特定名称酒」としての表示規定がないため、熟成期間が1年、2年といった比較的短期のものでも「熟成酒」や「長期熟成」「秘蔵酒」といった表現で販売されているものもあるそうで、明確に熟成された古酒を差別化して、味わってもらいたいというところから、蔵元で3年以上の期間熟成された清酒として、消費者に分かりやすくしているということ。

熟成古酒とは | 長期熟成酒研究会

清酒の熟成、熟成古酒には3つのタイプがある

熟成の仕方や、ちょぞ王熟成の仕方、熟成の年数期間、これらの観点から大きく3つに分類されます。

タイプ 醸造方法 熟成温度 特徴 相性の良い料理
濃熟タイプ 本醸造酒
純米酒
常温熟成 熟成を重ねるにつれ、照り、色、香り、味が劇的に変化、風格を備えた個性豊かな熟成古酒 中華料理、脂分の多い料理、濃厚な旨みと甘みのある食べもの(ビターチョコレート、焼肉、ブルーチーズ、焼き鳥(タレ)、カレー)
中間タイプ 本醸造酒
純米酒
吟醸酒
大吟醸酒
低温熟成と常温熟成を併用 低温熟成から常温熟成へ、またはその逆の貯蔵法により、濃熟タイプと淡熟タイプの中間の味わいを実現した熟成古酒 ほどよい甘味、酸味、苦味のある食べもの(酢豚、牛しゃぶしゃぶ、干しぶどう、チョコレートなど)
淡熟タイプ 吟醸酒
大吟醸酒
低温熟成 吟醸酒の良さを残しつつ、ほどよい苦味と香りが渾然一体となった、幅のある深い味わいの熟成古酒 フランス料理、甘味・脂肪が少なく旨み成分が多い食べもの(生ハム、イカの塩辛、ロールキャベツ、グラタン、チーズなど)

引用:長期熟成酒研究会

この分類をみると、まるでワインのような分類・評価だなという印象ですが、まさしく日本酒も、長期熟成することで、ワインのような個性を発揮するようになるということなのだと思います。

個人的なこれまでの感覚でいうと、日本酒は「しぼりたて」「生酒」や「新酒」といったフレッシュさを評価して、お店で手にとっていた傾向でした。

フレッシュな新酒をありがたがるような感覚だけで日本酒の価値、評価をしていたように思うのですが、古酒、熟成された古酒について、そのそれぞれに個性が発揮された日本酒への評価が、これをしることでガラッと変わりました。

ワインでいうところの、毎年11月第3木曜日(日付が変わった午前0時)に解禁される、ボジョレーワインの新種をボジョレー・ヌヴォーといいますが、日本においては、ボジョレー・ヌヴォーを解禁を祝うようかのようにありがたがるイベントが定着していますが、これと同じく、日本酒でも新しいものをありがたがっていたというのが、これまでの自分の感覚でした。

ワインには、ビンテージ(ヴィンテージ)ワインが評価される文化的評価基準が定着しているのに対して、日本のお酒である「日本酒」において、古酒を明確に規定する基準もなく、独自に熟成古酒の認定基準が定められているとはいえ、まだまだ認識としてはワインのそれほどではないように感じるところです。

最近、「ひやおろし」という、冬季に醸造したあと春から夏にかけて涼しい酒蔵で貯蔵・熟成させ、気温の下がる秋に出荷される、日本酒の楽しみ方を知りましたが、これも熟成期間は1年に満たない。ひやおろしが熟成古酒かというと、いやいや「新酒」の部類でしょ、ということになります。

ヴィンテージワインと同様に、熟成された古酒の価値を明確にできるような知識が、より一般的になっていくことで、日本酒自体のさらなる楽しみ方や、価値、市場が確立されるのだろうと思います。

沖縄の泡盛については、

1983年に『泡盛の表示に関する公正競争規約』が作成され、「全量を3年以上貯蔵したもの又は仕次ぎしたもので、3年以上貯蔵した泡盛が仕次ぎ後の泡盛の総量の50パーセントを超えるもの」に「古酒」の表示が認められた。

泡盛 - Wikipedia

泡盛の古酒は、古酒の基準が明確に規定されています。

2013年10月10日に『泡盛の表示に関する公正競争規約』が改正され、2015年8月1日から適用された。改正規約では、自主基準と同様に、「古酒」は「泡盛を3年以上貯蔵したもの」と定められ、「全量が古酒であるもの」のみに「古酒」の表示が認められた。年数表示については、「当該年数以上貯蔵したものとする。異なる貯蔵年数の古酒を混和した場合は、その割合に関わらず、最も貯蔵年数の少ない古酒の年数を表示する。貯蔵年数の年数未満は切り捨てて表示するものとする。」とされ、混和酒の場合は、「古酒を10パーセント以上混和したもので、かつ混和割合を表示しなければ混和酒である旨を表示してはならない。」とされている。つまり、年数を表示する場合には、全量が表示年数以上貯蔵されたものではなければならず、例えば、全量が5年貯蔵酒か、5年貯蔵酒に5年以上貯蔵した古酒をブレンドしたものでなければ、「5年」を名乗ることはできない。また、ブレンド古酒の場合には、最も貯蔵年数が若いものの年数を表示しなければならず、例えば、10年貯蔵酒に少量でも3年貯蔵酒がブレンドされていれば、「3年」の表示しか認められない。一般酒に古酒を10パーセント以上のブレンドする場合には、「混和酒」又は「ブレンド酒」の表記が認められるが、この場合にも、混合割合を表記しなくてはならない。

なお、古酒の表示に代えて、クース又は貯蔵酒若しくは熟成酒と表示することができる。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B3%A1%E7%9B%9B#%E5%8F%A4%E9%85%92

熟成することで変化する味や香り

先の「熟成古酒のタイプ」にも分類記載されていましたが、熟成することで新酒のもつ味わいとは違った、独特な香り、照り、色、味が醸し出されるそうで、熟成タイプによって、相性の良い料理など選択の幅も、様々な可能性が生まれます。

この変化は、更に深い味わいとなり造り手が知る表情とは違ったものになります。
できたてのフレッシュな日本酒であれば、その清涼さを邪魔しないような、つまみや料理との相性を大事にしがちですが、古酒の場合、熟して香りも味も濃厚になり、相性の良い料理も、濃厚なものとも十分に相性が良いとされています。

さらには、熟成古酒は「酔い覚めの良さ」も特徴的で、体にも優しいと、先に紹介した長期熟成研究会にかかれていました。

熟成古酒は身体に優しいお酒

長期熟成酒は、飲んだ後の「酔い覚めの良さ」が特徴です。江戸時代の「訓蒙要言故事」には、「新酒は、頭ばかり酔う。熟成酒は、からだ全体が潤うように気持ち良く酔う」と書かれています。熟成した酒の身体に対する優しさは、最近の医学会でも報告されています。

熟成古酒とは | 長期熟成酒研究会

ますます、魅力的な熟成古酒。ここまで調べてみると、まずは飲んで試してみたい!

山形県 出羽桜 (でわざくら)特別純米 枯山水 10年熟成古酒 1800ml

 

高野酒造 越匠 長期熟成1993 吟醸古酒 瓶 箱入 [ 日本酒 新潟県 720ml ]

 

麗人酒造 古酒 長期熟成純米酒 酒古里- しゃぶり – 7年 360ml 箱入 [ 信州・長野県の地酒 ]

オヤジの楽しみ、自宅保管のブランデーやウイスキーは長期保存で美味しく変化するのか?

熟成酒と聞くと、必ず連想するのが自宅の棚に、大事そうに飲まずに取り置きしていたブランデーやウイスキー。

友人宅にも、同じ様なブランデーやウイスキーが大事そうに鎮座しているのを目撃していましたが、自宅保存、自宅熟成で、あのブランデーは美味しくなるのでしょうか?

結論は、瓶詰めされたブランデーやウイスキーが自宅で、しかも温度管理もされないまま、美味しく追熟されることは無いそうです。

ワインや日本酒などの醸造酒は、瓶の中でも熟成されるそうですが、温度管理が必要です。
ウイスキーやブランデーは、樽から瓶に移し替えられた時点で、熟成されることはないようです。

ただ、ブランデーやウイスキーは、アルコール度数が40%以上あるものがほとんどなので、腐敗菌が繁殖することで、腐ってしまうような品質の低下は起こりにくくはあるそうですね。

ですが、直射日光が当たる環境であったり、室内の温度が高くなるような場所であれば、必然的に劣化します。瓶に栓がされていますが、コルクや栓が傷んでアルコール分が抜けてしまうことにより、腐敗してしまうと行った事例はあるようなので、楽しみにとっておきたい気持ちは抑えつつ、美味しいうちに飲むのがベターだということになります。

ウイスキーやブランデーが長く保存して熟成?された結果、まろやかに感じたりするなど熟成されたイメージをもちがちなようですが、これはアルコールが抜けたことで、度数が低くなって、まろやかに感じたりするのかも、と思うと、貴重で高価なウイスキーやブランデーは早めに飲んだほうが良さそうですね!

ワインや日本酒の熟成を海中で

お酒の海底熟成サービス「美しき海のワイナリー」というサービスに出会いました。

お酒の海底熟成サービス「美しき海のワイナリー」

海、海底を貯蔵庫として、お酒を静岡県南伊豆の美しい海の海底に沈めて熟成させるサービスです。

海外の沈没船から、長期に渡って海中で熟成されたワインが見つかったり、実際に海中熟成の話は海外の話として聞いたことはありました。

そんなサービスが、日本国内でも。

美しき海のワイナリーPV

お好みのお酒をお預かりし、国定公園に面した風光明媚な南伊豆町・中木沖の透き通った海の底にある熟成庫で半年間熟成させ、ご返送するサービスが「美しき海のワイナリー」です。

スキューバダイビングで、自分自身でお酒を沈めたり体験することもできるそうです。

熟成期間は6月~10月の時期をのぞく11月・12月・1月・2月・3月・4月・5月、約半年だそうです。6月~10月は台風などによるリスクからお休みなのだとか。

とっておきの一本を海の底で熟成させてみたい!と思う方は試してみてはいかがでしょうか。

お酒の海底熟成サービス「美しき海のワイナリー」
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