2021年10月15日のTBSニュース動画です。
アメリカのファストフード大手「マクドナルド」は、肉を全く使わない「代替肉」のハンバーガーについて、来月3日から南部テキサス州などの8店舗で試験的に販売すると発表しました。
続いて、2021年10月18日の日テレNEWSのニュース動画
18日、ネクストミーツは代替肉を発表しました。焼き肉のようなものが、フライパンの上で焼かれていました。実は大豆などから作られた代替肉でカルビを再現したものです。(2021年10月18日放送「news every.」より)
代替肉、ネクストミート、最近話題のワードです。
代替肉、「肉」と、それを示す漢字が付きますが、肉ではなくて植物性100%のお肉?。
肉ではないけど「肉」。
もとは、ベジタリアン(菜食主義者)やヴィーガン(肉や乳製品など動物由来の製品も摂らない人)が多いとされる欧米では、植物由来、大豆などの原料を加工して肉に似せた代替食品が、代替肉(植物肉)として身近なものとして広まっていました。
そこに、SDGsをはじめとする環境問題への注目も相まって、環境負荷が高いとされる肉の生産に替えて、植物原料による肉に替わる食品への注目が一気に高まりを見せています
日本でも、ブーム到来か!?代替肉
いま、環境問題への意識の高まりなどから注目されている「代替肉」。皆さんは食べたこと、ありますか?
大豆など、植物由来の原料から作られた代替肉は、製造プロセスでの温室効果ガスの排出量が抑えられるなどの理由から世界的に利用が進んでいます。お肉コーナーの横には大豆でできた代替肉の商品が並んでいます。
そのまますぐに食べられるお惣菜から、ひき肉に似せた大豆ミンチ、さらには、お湯で戻して使うタイプなど、その数じつに40種類。最近は新規参入する企業が増え、見た目だけでなく味や食感もお肉さながらの商品が続々と登場していて、代替肉市場は進化し続けているんです。
エラー - NHK
このニュースによれば、国内のデパートやスーパーでも40種類ほどの、代替肉商品が販売されていて、世界的なブームの影響は、日本国内でも確実に広がりを見せているようです。
畜産、食用肉は何故、環境負荷が高いとされるのか?
世界中の畜産業による二酸化炭素(CO2)排出量は、地球全体のCO2排出量の約15%を占めるとも言われます。
これは、世界中全ての乗り物から排出される温室効果ガスの全体量に匹敵されるほどだそうです。
車・バイク・飛行機などなど全ての乗り物が排出するCO2量と、畜産業によるCO2が同量とする、このデータには驚かせれました。
よく牛のゲップからメタンガスが排出されることが問題かのように言われますが、ゲップだけに限らず、動物性食材の消費増加、工業的に生産される動物性食品の生産を取り巻く環境全体に問題があるようです。
牛や豚、鳥を育てて、肉や動物性加工食品として生産されるすべての工程には、開拓、餌となる水や穀物の使用などなどいろいろな側面が相まって、畜産業は環境負荷が高いとされています。
豚肉の場合、小売店で並んでいる骨などを取り除いた精肉1キロ当たりの排出量はCO2換算で約7.8キロとされる。これは、えさの生産や飼育、食肉処理などの過程の排出量を合算したものだ。その後、小売店で売られるまでに、さらに約3.3キロ排出されるという。
バカにできない?肉の生産で出る温室効果ガス:東京新聞 TOKYO Web<地球異変・温暖化のはてな 3> 地球温暖化の原因とされる二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガス。発電したり、車を運転したりなど工業分...
データで見ると、ちょっとドキッとしますね。
畜産業でも、牛のゲップを減らす試みもあったり改善に向けての取り組みもあるようです。
実は、古くから存在する肉に替わる代替食品
ネクストミート、培養肉といったフードテックによる代替肉ではなくて、思い返してみれば、日本には古くから代替肉、植物性の食事、その調理法が存在し、今も受け継がれています。
精進料理。
「がんもどき」=雁擬き、これは雁の肉もどきという意味かと思います。
日本には、このような肉に替わる食品、また調理法が多数伝わっています。
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精進料理(しょうじんりょうり)とは、仏教の戒に基づき殺生や煩悩への刺激を避けることを主眼として調理された料理。
動物性の食材は禁忌とされている。仏教の世界では戒律によって在家の信徒は「五戒」で、僧は「沙弥の十戒」をはじめとして元から殺生が禁じられており、大乗仏教では『楞伽経』を基に僧の肉食も禁止されたため、僧俗への供養や布施として野菜や豆類、穀物を工夫して調理する。
精進料理 - Wikipedia
そもそも、サラダのように野菜や豆類の食材を生で食べるようになるまでは、これらの食材は加熱調理が基本で、豆腐を代表例としてみると、大豆を蒸して、すり潰して越して、固めて豆腐という最終形にするなど、様々な加工法、調理法が用いられてきました。
先の、がんもどきのように、ジューシーなお肉に替わるような食品(食材)として生まれ、高野豆腐は、現在の大豆ミートの製造にも通じる製法で古くから存在します。
ここで、考えたいポイントは、現在の食生活が欧米的な、肉や動物性加工食品を中心とする食生活に偏る傾向が高まってしまったことによって、それを賄う畜産業の工業化が、現在の環境負荷につながっている点です。
もちろん、世界全体の人口増もあってのことではありますが、日本だけで見ても、古くから伝わる食材や調理法よりも、日常的な食卓には、肉や動物性加工食品がその大部分を占める傾向にあります。
代替肉商品が増え、その経済規模が拡大するとすれば、肉食偏重の今の食生活を少しずつ、伝統的な和食的な食事を見直して取り入れていく必要もあるのかと考えます。
国内で発売されている代替肉商品
ソイモスバーガー|モスバーガー
ネクストミーツ NEXT 焼肉 カルビ2.0 プラントベース 代替肉 大豆ミート
ヨネキチ 大豆ミート SOYKARA ソイから 唐揚げ用 大豆肉 ブロック
他にも、伊藤ハムの大豆ミートに始まり、他にも日本ハムのナチュミートシリーズなど
イオンの vegetiveシリーズ
大塚食品 ZEROMEAT(ゼロミート)
大手の参入もありますが、まだまだ食べたことが無いひとも多いのではないでしょうか?ここで、ご紹介した代替肉商品もベジタリアン(菜食主義者)には対応しているが、肉や乳製品など動物由来の製品も摂らないヴィーガン対応には至っていないもの、つまりは、肉は使っていないけど、卵や乳製品が含まれているものが多く存在します。
環境に良い食品といった視点で食品を手にとって選択する、そういった習慣が、まだ私の中には大きく存在しませんが、添加物を気にしたり、生産国(生産地)が気になったりするのと同じように、全材料に肉が含まれているかどうか、動物性のものを含んでいるかどうかなどなど、また一つの選択基準が根付いてくるのだろうと、ここ最近の代替肉ブームで思うところです。
そもそも、食料供給が過剰になり廃棄する食料が多すぎることのほうが、優先順位では上位であるようにも思うところです。
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