コクがあるのコクってなんでしょう!?

コクがあるのコクってなんでしょう!? お酒のつまみになる話
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食レポや食品レビューなどで、よく「コクがあって・・・」と言われます。
前々から、この「コクがある」という表現が指す、食べ物の旨味って、どんなものか?
はっきりした答えを持たず「コク」という旨味?味の表現を聞いてきました。

ですが、実際にコクがある食べ物、食べ物の味にコクがあるというのは、どういうものなのでしょうか?

最近では「コクうま」なんていう表現で売り出されている商品もあったりして、ますますわからなくなってきます。

コクがある=美味しいということなのでしょうか?

 

うま味(UMAMI)について

まず、味を感じる仕組み、味覚について。
食べ物や飲み物が、口に入って舌に触れることで味として感じるもの。
舌では、味覚を5つの基本味から構成されています。

塩味・甘味・酸味・苦味・うま味

この5つ。

最後の「うま味」というが、言葉で説明できそうになかったので引用すると

 

うま味

うま味(うまみ)は、主にアミノ酸であるグルタミン酸、アスパラギン酸や、核酸構成物質のヌクレオチドであるイノシン酸、グアニル酸、キサンチル酸など、その他の有機酸であるコハク酸やその塩類などによって生じる味の名前。五基本味の一つ。

うま味 - Wikipedia

一般的においしさを構成する「味」の要素は、塩味・甘味・酸味・苦味・うま味で構成されるということ。

味を補足するものとして、五基本味のほかに「辛味」「渋味」があります。

味=おいしさでもないので
「おいしさ」を構成する要素のひとつが、五基本味で構成される「味」。
そのほかに、おいしさを構成する要素は

風味(香り・こく・広がり・厚み)
食味(テクスチャー・温度・色・光沢・形状・音)

こういった要素の様々なバランスが「おいしさ」を構成する要素となる。

出典:「うま味」と「うまい!」は、まったく別の意味の言葉なんです

「うま味」と「うまい!」は、まったく別の意味の言葉なんです | うま味ペディア | 味の素株式会社
知って、作って お料理ランクアップ!「うま味って一体、何?」「何に含まれてるの?」「どう使えばいいの?」うま味について知りたいことは、こちらでチェック!

 

コクが示すもの?

「コク」とは

「コク」のある味とは、複数の味が絡み合った複雑な味わいのことです。
さらに味だけでなく、香りや食感など複数の要素の調和により、味がバランスよく重なって厚みや広がりを増し、余韻も続く味わいといえます。よく濃厚感、持続性、広がりのある味ともいわれます。
とくに5つの基本味(甘味・塩味・酸味・苦味・うま味)がバランスよく一体となった奥行のある味わいに「コク」があると感じられるようです。

「コク」は、アッサリした料理より、コッテリした料理によく使われる表現です。一般に「コク」がある料理や食品として、カレーやシチューなどの多種な食材を使った煮込み料理、長時間熟成したチーズ、動物性油脂の高い食品などがあげられます。ラーメンやビール、日本酒、コーヒーなども、種類によってはよく「コク」があるといわれる料理や飲料です。

このように、「コク」の表現は感覚的な部分も大きく、明確な定義もありません。ですが成分的に言えば、アミノ酸が複合した「グルタチオン」や「グルタミルバリルグリシン」など、「コク」を引き出す物質があることが知られています。

「コク」と「旨味」はどちらも味わいの感覚表現ですが、おいしいことを表わす「旨味」に対し、「コク」は複雑な味わいのことで、必ずしもおいしさを意味してはいません。

「うま味」「旨味」「コク」の違い - 社会人の教科書
「うま味」と「旨味」と「コク」の違いとは
間違いだらけのおいしさの表現Part5「食べ物の「コク」と「おいしさ」は違う」

私たちは、日常生活で、「コク」と「おいしさ」を同義語として使っている場合が多く見られます。しかし、これらは同義語ではありません。なぜなら、コクがあっておいしい食べ物は多いのですが、コクがなくても、おいしいものは、下記図のようにたくさん存在しているからです。コクのある食品は、カレーやシチューのように多くの食材を長時間煮込んで調理したもの、長時間熟成したチーズやワイン、醤油、味噌、ビールのように発酵させた食品の味わいで感じられます。

間違いだらけの「おいしさ表現」>食べ物の「コク」と「おいしさ」は違う

特定非営利活動法人 うま味インフォメーションセンター

食べ物の「コク」と「おいしさ」は違う | 特定非営利活動法人 うま味インフォメーションセンター
うま味インフォメーションセンターでは、うま味の正確で最新の情報をグローバルに発信し、日本および世界へのうま味の普及を目指し、うま味に関する正確で有益な情報をお届けしていきます。

ここまでで、最近よく見かける「こくうま」と表現された商品について解釈すると「コクがあって、かつ旨い」ということで「コクがあるから旨い」ということなのだろうと考えるところです。

一時期、激辛ブーム中に、よく見かけた「うま辛」「旨辛」という表現も同様に、「旨いから辛い」「辛いから旨い」ということではなく、「うま味があって、かつ辛い」ということなんだと解釈します。

うま味=旨い、ではないことから見ても「こくうま」や「うま辛」が、直接的な旨さを表現するものではなかったのだと理解します。

上の商品のように「コクと旨さ」という表現のように、旨さとコクは指し示すものが別なんだということになります。

「うま辛キムチ コクと旨さ」

そう考えてみてみると、ちょっと違和感があるような・・・。
なんとも、味を伝えるための表現として「コク」というのは明確でないような気がしないでもない。

個人的に、「味に深みがある」という表現も、「コク」と同様に明確にしづらい、とても抽象的で主観的な表現のようにも感じます。

 

旨さは人それぞれに感じ方が違って、表現も違ってくるということ

旨さを表現する手段として、コクや深みというのは、いうなれば「言葉では簡単に言い表せない、表現できないような複雑な味のバランス」を、なんとなく「コク」とか「深み」というワードで便利に表現しているように思いました。

なので「コクがあって美味しい」という表現は、その食品の旨さを全く表現できていなくて、「なんとなく美味しそう」という表現なのだという理解に落ち着きます。

旨いと表現したいときに使う「装飾」的な感じですね。

そうはいっても、「コクがあって」と聞く(見る)と、なんとなくどんな味か想像はできませんが、美味しそうに感じますよね。

まぁ、美味しさ、旨さを表現するのはムズカシイってことですね。

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