「砂肝(すなぎも)」というよりは、個人的に馴染みがある「砂ズリ」。
砂肝と砂ズリは、同じ鶏の「筋胃(きんい)といわれる部位ですが、餌を丸呑みにする鶏には歯がありませんから、胃で食べたものをすり潰すように砕くそうです。
すり潰す機能を備えた鶏の胃は、筋が発達しているということらしいです。
砂ズリは、鶏が食事で食べたものに含まれる小石や砂が貯められた、筋が発達した胃袋ということになります。
低カロリーで高タンパク、しかも低脂肪。
ヘルシーな部位としても知られています。
焼き鳥屋さんに行くと、とりあえずは「ズリ(砂ズリ)」と「バラ(豚バラ)」を頼むのが個人的な定番となっています。
砂肝と呼ぶ人と、砂ズリと呼ぶ人で分かれるのは、西日本では砂ズリと呼ぶ人が多く、東に行けば、砂肝と呼ばれる機会が多くなるそうな。
そんな、砂肝、砂ズリのお話です。
砂肝(砂ズリ)がジャリジャリした食感なのは何故?
ご紹介したように、砂肝(砂ズリ)は鶏の消化器官で、地面を突くように食事をする鶏の特性から、食べ物と一緒に入ってくる小石や砂が消化器官であるそこに貯まる部位でもあります。
鳥類の他、このような消化器官を持つものに、爬虫類や魚類も含まれるそうです。
砂嚢(さのう)とも呼ばれています。
砂嚢
砂嚢(さのう、英: gizzard、鳥類においては ventriculus、gastric mill、 gigerium とも)は鳥類、爬虫類、ミミズ、魚類などに見られる消化器官である。分厚い筋肉(平滑筋)からなる袋状あるいは管状の器官で、食べたものをすりつぶす機能を持つ。小石などを利用して消化の助けとする種もある。昆虫や軟体動物では、砂嚢の中にキチン質の小板や歯のような構造を持つものもある。平滑筋を多く含むため、筋肉の研究材料に用いられている。
日本語での砂嚢、あるいは砂肝(すなぎも)、砂ずりという俗称は、家禽類を調理する際に砂嚢に砂礫が見られることに由来する。
鳥類は、ついばんだ食べ物をまず必要に応じて素嚢に飲み込む。食べた物はそれから、消化液を分泌する前胃に送られる。それに続いて前胃から砂嚢 (筋胃とも呼ばれる) に送られる。砂嚢では、あらかじめ飲み込まれていた砂礫によって食べたものを咀嚼して胃に送る。このため、砂嚢の筋層が厚い。
砂嚢 - Wikipedia
そのことから、名前に「砂」がつくのだと思いますが、市販されているものは、たいていきれいにした処理がされていて、溜まっていた砂が残っていることはないと思います。
食感として、肉質がギュッと詰まったような筋肉質なため、噛むとジャリッと感じるのだと思います。
ついばんだ食べ物をすり潰すように咀嚼する、その機関は「筋胃」と呼ばれていることからも筋層が厚く、その食感がジャリッとした特有の食感となります。
世界中で利用される食材でもあり、焼鳥のように特有の食感を残しながら、活かしながら食べる調理法の他に、コンフィのように油で柔らかく煮て食べる調理法など地域によって様々な食べ方が存在しているのも特徴的です。
砂肝と砂ズリの違いとは?
砂肝と砂ズリに呼び方以外の違いはなく、主に西日本では「ズリ」「砂ズリ」と呼ぶ地域が多く、東京を中心とした東日本や北海道などでは「砂肝」と呼ぶエリアが多いそうです。
諸説あるので、地域によって呼び方が違う、ということでした。
油で揚げて干した「せんじがら」の砂ズリ版も!
砂肝はどれくらい焼けばいい?
安価で食べごたえのある部位でもある「砂肝」ですが、実際お家で調理してみると焼き加減がわかりにくく感じることないでしょうか?
外からの見た目だけでは判断しづらい色合いなので、途中でカットしてみるものの・・・。分かりづらい!
かといって、焼きすぎると固くなってしまって美味しくないし。
見極めのポイントなどがあれば良いですよね。
調理の仕方にもよりますが「焼く」ときの目安は、
・そのままの形で焼く場合
・スライスして焼く場合
で大きく違ってきます。
焼き鳥で砂肝串を焼く場合の目安は、焼いている砂肝を串や爪楊枝などで刺してみて、刺したところから汁(白い汁)が出てくる頃合いが火が通った目安になります。
炒める場合には、先に5分ほどボイルして、その後にスライスするなどカットして他の具材と炒めることで、砂肝の火の通りを、それほど気にしなくても良いと思います。
焼きすぎると固くなって・・・と書きましたが、逆にカリカリに焼いて、その食感を活かすのもアリですね。
色味で焼き上がりを判断したい場合、中心部付近まで少し茶色がかってきたら火が通った証拠。その時点で試食してみて、食感がプヨプヨしているようなら半生状態。
コリコリ、サクサクした食感が感じられれば火の通しはOK。
焼き上がりということになります。
砂肝は、亜鉛を多く含む食材としても知られています。
亜鉛は、糖質の代謝を促す働きもあり、他に鉄分、ビタミンB12やタンパク質も豊富です。
対して、カロリーや脂質は少ないですがコレステロールやプリン体が多めなので食べ過ぎには注意です。
焼き鳥でいうと、2本~3本程度がちょうどいい目安になるのではないでしょうか。
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