言葉で言わなくても相手の考えていることを先読みし、行動に移したことありませんか?
例えば届いた郵便物を開封しようとしているときに、はさみを渡したり、新聞を読もうとすると眼鏡を渡したり。
こんな時「あうんの呼吸だね」と言いますね。
何気なく使っていますが、「あうんの呼吸」の「あうん」っていったい何なのか気になりませんか?
今回は日常会話で使っていることわざ「あうんの呼吸」についてお話しします。
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あうんの呼吸はどんな時に使われる?
あうんの呼吸とは、「言わなくても分かり合えること」「言葉にしなくても通じ合うこと」で、2人以上の気持ちと態度、タイミングや息が合う時に使われます。
スポーツで言えば、ダブルスで戦う競技において支持なしで前後に移動したり、サッカーなどではボールを持った選手がすぐにパスが出せるような位置に他の選手がいく行動などです。
使い方はだいたいわかると思いますが、この行動を指すあうんの呼吸の「あうん」とは、いったい何のことなのでしょうか。
あうんの呼吸のあうんって何?
「あうんの呼吸=阿吽の呼吸」の「阿吽」は古代インドを発祥とし、仏教の伝来とともに中国から日本に伝わった言葉です。「阿」は開口音(=口を開いて最初に出す音)、「吽」は閉口音(=口を閉じて出す最後の音)です。
口を開閉する行為、すなわち「阿吽」は、最初と最後がぴったりと合うことを表現しています。
また「阿」と「吽」は宗教や習わしに反映され、寺院にある金剛力士像は、阿形(あぎょう)と吽形(うんぎょう)が対になっていて、仏教の始まりと終わりを表しています。
神社にある狛犬やシーサーも同じで口が開いた動物と口を閉じた動物が対になっています。
このことから「阿吽」には「相対・対比・対立など相対する二つのもの」といった意味もあります。
合わさったり対立したり、阿吽って不思議な言葉ですね~
ちなみに、夫婦関係を表現するときに、息が合っている様子を「あうんの呼吸」という言葉を表現することがありますが、その「あうん」という言葉には、相対という意味だけではなく、対立という要素も含まれているところが、まさにいいことばかりではない夫婦を形容するのにぴったりな気がしますね!
さらにはこの言葉には、はじまりから終わりまでというこの世の全てという意味も含まれていますから、それだけ夫婦関係というのは、奥深いということなのかもしれません。
そんな不思議な言葉からできた「あうんの呼吸」日本人にはわかるけど、海外では通用するのでしょうか。
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阿吽の呼吸は海外では通用する?
言葉にしなくても通じ合える「あうんの呼吸」は中国や韓国、日本などアジア人にしか通用しません。
中国や韓国、日本などアジア人は文脈から行間を読む(言わなくても分かり合える)文化です。
言葉よりも、体の動き、声のトーン、顔の表情などで意思伝達ができるのです。
なので国際的な環境では、遠慮深く世界的にはっきりと意思表示しません。
これに対し欧米ははっきりと意思を表明する文化なので、あうんの呼吸は通用しません。
だから欧米人の人とコミュニケーションをとるには、自分が十分だと思う以上に、自分の考えを明確に伝える努力する必要があります。
言語で全てを説明することに慣れていないアジア人は、かなり努力しなくてはなりません。
欧米の方とアジアの方が分かり合うためには、どちらか一方ではなく、お互いがそれを踏まえてコミュニケーションをとる必要がありますので、ハードルは高いですね…
普段、おしゃべりばかりしていて「うるさい!」と言われる人は、この時ばかりは大活躍しそうですね。
私は井戸端会議は好きですが語学が疎く(言わなくてもわかるでしょ)という人なので、欧米人とのコミュニケーションは難しそうです。
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