地方によってすき焼きは作り方が違う

地方によってすき焼きは作り方が違う 家飲みを科学する
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すき焼きとは?

しょうゆ、砂糖、酒をベースにした味付けで、牛肉やネギ、焼き豆腐、春菊やシラタキを煮て食べる牛肉料理。

ステーキやお寿司とならんで、昭和世代の食卓を豊かにしてくれた特別な存在です。
1960年代には、欧米にも「SUKIYAKI」という単語が通じるようになったのも、坂本九の「上を向いて歩こう」が、日本語の歌のままアメリカでヒットチャート1位を獲得したから。

Sukiyaki

1960年代というと、昭和30年代半ばころアメリカでは「フジヤマ・ゲイシャ・スキヤキ」が日本を代表する言葉でした。

今だと「スシ・ラーメン・オオタニ」といった感じでしょうか。

すき焼きの歴史

農林水産省の「うちの郷土料理」には、東京都の郷土料理としてすき焼きが掲載されています。

すき焼き 東京都 | うちの郷土料理:農林水産省

江戸時代中期、関西には元々農具の鋤(すき)を鉄板代わりにして貝や魚を焼く「魚すき」「沖すき」と呼ばれる料理が存在していた。その鋤で牛肉を焼いたものを「鋤焼(すきやき)」と呼ぶようになったのが語源とされる。とはいえ、これは関西の話。

675年の天武天皇による所謂,食肉禁止令以来、日本において牛や馬は大切な労働力であったなどの理由のため、公には食することができなかった(江戸後期になると彦根藩井伊候が、将軍家に牛肉の味噌漬けを送る記録があるなどある程度食されていたことが分かる)。解禁となったのは明治維新以降のこと。1859年(安政6年)の横浜の開港とともに、1860年(安政7年)江戸・高輪にイギリス公使館が設けられ、牛肉の注文を受けるが、横浜まで仕入れに行くのは丸一日がかり。そこで、芝白金に牛の処理場を作ったことから、肉食文化が広まり、東京では「牛鍋」と呼ばれる料理を提供する店が次々とオープン、大流行する。牛鍋は肉食のたたりから解放された庶民のご馳走とされ、文明開化の食の代表と言えよう。

当初は獣臭をやわらげるために味噌ベースが主流だったが、肉質の向上により豆腐やしらたきといった具材が加わり、醤油、砂糖、酒を調合したたれで煮るようになった。しかし、大正12年の関東大震災を機に、東京の牛鍋屋は大打撃を受け、ほとんどの店が閉店に追い込まれる。その後、牛鍋の関西の呼び名であった「すき焼き」が関東に伝わり、呼び名も統一されることになる。関西では牛肉を焼いたのち、割り下や野菜を入れるのに対し、関東では専門店は関西同様の作り方であるが、家庭においては割り下を煮立たせ、肉と野菜を同時に入れるのが主流。

そのほか、下仁田ねぎの産地、群馬県の郷土料理としても

すき焼き 群馬県 | うちの郷土料理:農林水産省

 

もともと肉食を禁じていた日本で、明治時代になり肉食が解禁され「牛鍋屋」が誕生し、文明開化の象徴のように、牛鍋が流行します。当時の牛鍋は、肉の臭み消しに味噌を入れて煮込むのが主流だったそうで、今のすき焼きとは違ったイメージ。

そのように、関東のすき焼きのはじまりは「牛鍋」が文明開化、明治維新以降に食べられるようになり、関西では「鋤焼」として、鋤を鍋代わりにして、魚、魚介類を焼いて砂糖やしょうゆで味を付けをして食べていた古くから馴染みがあった調理法に、肉食が始まったことで肉を焼いて食べる焼き物でした。

大正時代、関東大震災以降、牛鍋に似た料理として、すき焼きが、その呼び名とともに関東に伝わり、牛鍋からすき焼きとして統一されていった、けれども・・・。

すき焼きには、関東風、関西風の作り方がある

そもそも、すき焼きは砂糖としょうゆの甘辛い味付けで牛肉を愉しむ日本の食文化です。そこに、ネギや豆腐などを加えて、溶き卵を絡めて食べる。

この点においては、関西も関東も大筋、共通していると思います。


もともと、関東では牛鍋として「煮る」のものであったすき焼きと、関西では「焼く」、肉を焼くものであったところで大きな違いがあります。

関西では、先に牛脂で牛肉を焼き、砂糖と醤油で味付けをしてからネギや白菜など野菜を入れます。それに対して、関東では、まず調味料を合わせて「割り下」をつくります。
割り下には、砂糖と醤油のほか、みりんや酒、出汁を加え、先に割り下を鍋に入れ、人に立ちしたところに牛肉、野菜など具材を入れて煮るスタイル。

割り下で煮る関東風すき焼きは、肉や野菜の旨味がスープに溶け出し馴染んだ味わい。

肉を焼いた後に、砂糖と醤油だけで味付けをし、野菜などはお肉の付け合わせといった感じで、肉が主役だと明確に主張してくるのが関西のすき焼きスタイル。

関西のすき焼きには、水分を多く含んでいる白菜が欠かせません。
野菜の水分を利用して味を調えていく関西スタイルには白菜、そのほかに玉ねぎを入れることもポピュラーです。

関東では、ちくわ麩を入れたりします。
ちくわ麩は、関西ではなじみがない食材ですが小麦粉をこねて作った竹輪と麩の中間のような、それでいて、竹輪でも麩でもない食材です。

溶き卵をくぐらせる食べ方については、関西・関東の区別なく、あつあつの肉や具材を覚ます役割として用いられるようになったそうですが、卵をくぐらせることで発祥当時は、よりリッチなご馳走感を演出したのかもしてません。

なんとなく禁断の贅沢な食べ方のようでもあります。

焼くのか、煮るのかで違いがある、すき焼きの関西風、関東風。
それぞれに利点や味の特徴があって、関西ではまず牛肉を焼くことで、旨味がつまった牛脂が出ます。その牛脂で野菜や豆腐を絡めることでより牛肉を味わえるというのが、ひとつポイントになります。

一方、焼かずに煮る関東では、一緒に煮込むことで、より味が具材にしみこむ、割り下で味が均一に作ることができる、肉が硬くならず柔らかく仕上がるなど、煮るほうにもこだわりがあるようです。

皆さんのご家庭では、すき焼きは「焼く」「煮る」、どちらですか?
歌のスキヤキと並んで、日本料理の「すき焼き」も世界から注目される食文化です。

家庭でも、美味しい牛肉が手軽に手に入るようになり、ちょっとした贅沢を手軽に楽しむことができます。

いつもと違う、すき焼きを調理法を変えて作ってみるのもいいかもしれません。

すき焼き用のお肉を選ぶポイント

一般的にすき焼き用としてよく使われている牛肉の部位をあげていきます。

もも
太ももの部分。脂肪が少なく、しっかりとした肉質。煮込むと柔らかくなり、風味が豊かです。ヘルシーで、赤身の味わいを楽しめます。

肩ロース
肩から背中にかけての部位。ほどよい霜降りと赤身のバランスが良い。柔らかく、風味豊か。

リブロース
肩ロースとサーロインの間に位置する部位。霜降りが多く、柔らかい肉質。脂の甘みが特徴で、すき焼きに最適。

サーロイン
リブロースの後ろに位置する部位。降りが少なく、赤身が多い。しっかりとした肉の味が楽しめる。

バラ
お腹の部分。脂身が多く、ジューシー。煮込むと柔らかくなり、旨味が増します。脂の甘みがすき焼きの味を引き立てます。

これらの部位もすき焼きに使用することで、異なる味わいと食感を楽しむことができます。お好みに合わせて選んでみてください!

人気の「すき焼き」の作り方6選 デリッシュキッチン

 

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