お正月、お餅を使った料理といえば「お雑煮」。
餅が入った汁物料理である「お雑煮」が、どのようにして始まったのか?
お雑煮の細かな特徴など、今回のテーマも、おせち料理や年越し蕎麦に続いてのお正月料理「お雑煮」です。
子供の頃から、幾度となく聞いた「もういくつ寝ると~♪お正月~」
お正月の定番、お雑煮を掘り下げてみます!
わたし(あなた)の地域、家庭のお雑煮スタイルは?
我が家のお雑煮のスタイルといえば、
- おすまし
- ブリ
- 餅
- かまぼこ
- しいたけ
- 小松菜?
これに海老が入っていたり、入っていなかったりかなぁと思い返しています。
海老が入っていないときは、人参が入って赤い色のバランスが保たれていたように思いますが、地域地域で様々なお雑煮のスタイルがあることも承知しています。
様々なお雑煮スタイルがあるといっても、そのすべてを知るわけでもなく「色々あるんだろうぅ~」くらいの感じですが、gooランキングに「知らなかった全国各地のお雑煮の具ランキング 1位から10位」というのがありました。
1位:黒砂糖 (愛知県)
2位:クルミもち・クルミだれ (岩手県)
3位:干しナマコやクワイ (長崎県)
4位:ほや (宮城県)
5位:焼ワカサギ (岩手県)
6位:モツ (沖縄県)
7位:するめ、小豆 (福岡県)
8位:焼き穴子 (兵庫県)
9位:わらび、ぜんまい (長野県)
10位:塩ブリと牡蠣 (広島県)その他にも、
11位:ジャガイモ (愛媛県)
12位:茎付きのカブ (福井県)
13位:岩ノリ (秋田県)
14位:味噌仕立て・餅に甘いきな粉 (奈良県)
15位:ハマグリ、スルメ (広島県)
16位:高野豆腐 (長野県)
17位:小豆 (島根県)
18位:ブリ (大分県)
19位:白味噌仕立ての汁にあん餅 (香川県)
20位:モヤシ・白菜 (宮崎県)
21位:ワカメ (高知県)
22位:細ねぎのみ (富山県)
23位:海苔 (島根県)
24位:サケとイクラ (新潟県、北海道)
25位:小松菜 (愛知県)
26位:白味噌・根菜 (京都府)
このように、お雑煮の具として見たり聞いたこともない具、もちろん食べたこともなくて、その中でも、美味しそ~と思う具もあれば、正直なところ「え~っ!」と想像の枠を超えてくるものもありました。
私にとって、「1位:黒砂糖」って、衝撃の1位でした。
まぁ、香川県の白味噌にあん餅は、知っていたので、黒砂糖ってのも無くはないのかぁとか、愛知県の雑煮って味は、やっぱり赤味噌なのかなぁとか、びっくりの後は興味が湧いてきます。
17位の島根県の小豆ってのも、島根県の雑煮はビジュアルは「ぜんざいですか?」っていうほどに、薄口醤油味の小豆汁に餅が浮かんでる小豆雑煮。ほんとに見た目はぜんざいなのですね。
具材だけではなくて、入っている餅の形や、餅は焼いて入れるか煮込んでいるのか?スープの味付けは?などなど様々な違いがあります。
餅の角丸の違いは東西で分かれる分岐点があるようですが、鹿児島の一部地域では、角餅と丸餅が混在していたり、明確な区別の線引ができないように、地域や集落、また家庭によっても細かく違ってくることも確か。
興味とともに、各位の雑煮を食べてみたいという食欲も湧いてきます!
それぞれに、美味しそう♪
農林水産省のウェブサイトで「全国のいろいろな雑煮」として特集もあります。
青森県「くじら雑煮」とか、岩手県三陸地方の「あわび雑煮」、岩手県宮古地方のくるみのつけダレに、雑煮のお餅を漬けて食べるスタイルも、広島県の「牡蠣雑煮」も食べてみたいです。
雑煮のはじまり、由来について
先の記事で書いた「宮崎県のおせち」で紹介した情報にも記載がある宮崎県の雑煮の由来は、
一日は夕方から始まるとする考えがあり、元旦は大晦日の夕方から始まるとされていた。大晦日の夕方に神仏に供えた餅や飯を日の出後に降ろして、具を加えて煮た物が雑煮のルーツとされている。
HTTPSリダイレクター雑煮 - Wikipedia
その他、その始まりは平安時代、お祝い事や特別の日とされる「ハレの日」に食べる食べ物として、年神様に供えた餅や里芋、にんじん、大根などを、その年の最初に井戸や川から汲んだ「若水」と、新年最初の火で煮込み、元旦に食べたのが始まりとする説。
お正月のおせち料理や、お雑煮を食べるときに使う、両端が細くなった祝箸。
これは、取り箸と食い箸の両方の役目を持っているというわけではなくて、一方は人が使って、片方は神様が使う、神と人が共に飲食すること「神人共食」を表しているそうです。それは、神と人とが同じ食物を味わうことによって、両者の親密を強め、生活安泰の保証を得ようとするもの。
九州の一部地域では、お雑煮を「直会(なおらい)」と呼ぶ地域がありますが、神事の後、神々に供えた神酒、神饌(しんせん)などをおろして行なう宴会や、おろしたお供え物をなおらいということから、雑煮も直会、神様と人との共食、神様と親密に、つながりを感じ強め、その御加護を願うこと、その風習が、雑煮として受け継がれているものと思います。
「なおらい」の語源は、「もとに戻る=直る」
新年、再生の意味を持つ。
直会について|神社本庁
お餅を雑煮に入れる意味
雑煮にお餅を入れない地域もあるようですが、お餅を雑煮に入れる意味は
- 関西地方で食べられる丸餅は家庭円満。
- 餅はよく伸びるので、長生きの象徴として長寿の意味を込めて。
- つきたての餅を伸ばした「のし餅」を切った角餅は、敵をのす(倒す)という意味。
- 関東地方の角餅は、土蔵が建つことから家が栄える。
関ケ原の戦い、現在の岐阜県関ケ原を堺に、丸餅と角餅に別れているという分岐点の説もあるそうですが、一度に沢山の雑煮用のお餅を作る必要があるシーンでは、一つひとつ丸めるよりは、のし餅を切って作る角餅のほうが効率的です。
効率的、合理的にその場の状況によって角餅、丸餅の違いが生まれたというのも一理ありそうです。
その他、お雑煮に入る青菜と鶏肉は「菜・鶏(なとり)」として、名を上げる。出世の縁起を担ぐ意味を持っているとされたり、お餅の代わりに里芋を入れる地域も多いそうですが、それは里芋の別名「芋頭」から、人を束ねる頭になれるようにという、こちらも出世成就の願いが込められているとも言われます。
里芋には、おせちの回でも調べたよう、子沢山、子孫繁栄的な意味もありました。
同じく、かまぼこには「初日の出」、日の出をイメージさせる演技の良さがあります。
お餅を入れる意味の他にも、具材それぞれに願いを込めた意味があるのが雑煮が、古くから特別な料理として受け継がれてきた由縁であるのでしょう。
雑煮の形、スタイルは、地域や家族によって様々。
ですが、お正月、特別な「ハレの日」を家族や親戚とともに祝う形は今も変わりないのかなと、今年のお正月が今から楽しみなのです。
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