一般社団法人日本冷凍食品協会(https://www.reishokukyo.or.jp/)は、2022月19日から2月20日にかけて、冷凍食品の利用者を対象に、『“冷凍食品の利用状況”実態調査』を実施しました。
その調査結果によれば、冷凍食品を利用している人は年々増加傾向になり、特にここ数年のコロナ禍において、これまで冷凍食品を利用していなかった人も冷凍食品を利用しているなど、冷凍食品を利用する人が増えている、とする調査結果となっています。
◎ 冷凍食品を利用している人が増加。
◎ コロナ禍を機に冷凍食品の利用を始めた人は約1割。
◎ 男女とも若い層で、ヘビーユーザーの割合が高い。スクリーニング調査(n=10,000)によると、冷凍食品を月1回以上利用する人は、女性2018年80.9%→2022年87.7%、男性同78.7%→85.1%)で、増加傾向が続く。
「以前は利用していたが、一時利用をやめ、コロナ禍で再び利用を始めた」や「これまで利用したことがなかったが、コロナ禍で初めて利用した」という“コロナ禍を機に利用を始めた”人は、合わせて約1割(9.7%)。
冷凍食品の利用頻度は、男女とも若い層で「毎日」と「週2~3回」を合わせた“ヘビーユーザー”の割合が高い。
◎ 冷凍食品を“自分で調理している”男性は増加傾向で、約3人に2人。
◎ 冷凍食品の購入目的は、女性で「自宅で食べる昼食」が初めて半数を超える。◎ コロナ禍で、「買い置きができる食品の購入」が“増えた”女性は半数近く。
◎ 買い物方法も、料理や食材のデリバリー・配達やネットスーパーなど宅配が増加傾向。
◎ 今後、冷凍食品が10%未満の値上げをしても男女とも6割近くは「今まで通り購入」。<調査概要>
【調査方法】 インターネット調査
【調査対象】 冷凍食品を「月1回以上」利用している25歳以上の男女各625人
【調査期間】 2022年2月19日(土)~2月20日(日)※調査期間中は、新型コロナウイルス感染症まん延防止等重点措置が東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、群馬県、新潟県、岐阜県、愛知県、三重県、香川県、長崎県、熊本県、宮崎県の13都県で発出されていました。
【標本構成】 スクリーニング調査(回答対象者を絞り込むための調査):有効回収10000人 本調査:有効回収1250人
https://www.reishokukyo.or.jp/wp-content/uploads/2022/04/research2022.pdf
初めて冷凍食品を利用し始めた人、頻度は少ないが月に1回程度利用する人が増加傾向にあるとする中、冷凍食品の利用頻度は、男女ともに若年層で毎日、もしくは週2~3回利用するヘビーユーザーの割合が多いのも、今回の調査結果から見て取れます。
購入目的は、「自宅で夕食に食べる」を筆頭に、「自宅で昼食に食べる」とする回答が大半となっています。
同協会が、2022年4月22日に公開した「令和3年(1~12月)冷凍食品の生産・消費について(速報)」にみる、冷凍食品国内生産量によれば、前年比2.9%増加となり、2000年の工場出荷額の最高値7千499億円に次ぐ、7千371億円となっています。
全体の工場出荷高が「増加」となっているのに対し、業務用の数量79万7千547t(2.3%増)、金額3千451億円(5.3%増)。コロナ禍で20年が11万6千t減(13%減)と大きく落ち込み、21年は2万t程度回復したものの、19年比では11%減。2年連続で80万tを下回っています。
反面、家庭用は数量79万8千667t(3.6%増)、金額3千919億円(5.2%増)。いずれも調査開始以来、過去最高を更新した。数量は7年連続のプラス。コロナ前(19年)との比較では、この2年間で数量は約10万t増(15%増)、出荷額は755億円増(23%増)と大きく伸びる形となっています。
金額比較で、家庭用が業務用を逆転した形になっていて、数量比較でも、コロナ禍、家庭用が業務量の冷凍食品出荷数を上回っています。
冷凍食品と同じく、保存性の良いレトルト食品も、コロナ禍で缶詰・瓶詰め・レトルト食品の需要が堅調だといいます。
2020年は、レトルト食品生産量、過去最高を更新。
中でも、カレーやつゆ・たれ類などが、その伸びをけん引したといいます。
調理時間の短縮化に加え、環境対応の側面でもレトルト食品は注目を集めています。
カレーや惣菜など、レンジ調理対応のレトルトパウチ商品が拡大したプラスの要因にもなっています。
地震・豪雨など自然災害続発で、保存性、携帯性の良い缶詰・レトルト食品は、さらに注目を集め、その中、これまでにない新しい商品も人気を得ている点も、追い風となっています。
レトルト食品や冷凍食品の生産量については、総務省統計局(https://www.stat.go.jp/)のウェブサイトにも記載があります。
それによれば、缶詰・瓶詰め・レトルト食品の状況については、公益社団法人 日本缶詰びん詰レトルト食品協会がまとめている「国内生産数量統計」(日本缶詰びん詰レトルト食品協会) により、缶詰・びん詰・レトルト食品や冷凍食品の生産量を品目別、都道府県別に調べることができ、一般社団法人 日本冷凍食品協会が調査している「日本の冷凍食品生産高・消費高に関する統計」により、冷凍食品の品目別生産数量及び生産金額等を調べることができます。
ちなみに、過去最高を更新した2020年のレトルト食品生産量を品目ごとにグラフにしたものがこちら。
品名 | 2020年 | 前年対比(%) | |
---|---|---|---|
内容重量 | 箱数 | ||
カレー | 164,310 | 25,032 | 100.3 |
シチュー | 3,686 | 438 | 109.2 |
ハヤシ | 2,345 | 394 | 103.4 |
ミートソース | 1,911 | 219 | 90.8 |
マーボ豆腐のもと | 7,402 | 1,548 | 104.5 |
食肉野菜混合煮 | 22,960 | 4,763 | 111.0 |
かまめしの素 | 13,289 | 2,358 | 106.0 |
食肉調理品 | 1,581 | 265 | 97.1 |
水産類 | 3,612 | 510 | 83.1 |
スープ類 | 15,671 | 2,904 | 101.5 |
農産類 | 904 | 174 | 86.7 |
飯類 | 14,491 | 2,018 | 105.0 |
パスタソース | 33,836 | 5,073 | 106.2 |
調理用調味ソース | 42,515 | 7,282 | 94.5 |
つゆ・たれ | 52,877 | 5,219 | 106.4 |
その他 | 7,358 | 1,177 | 87.1 |
合計 | 388,746 | 59,372 | 101.4 |
2020年(1-12月)のレトルト食品国内生産量は、38万8千746トン(前年比で1.4%増)。
4年連続で過去最高を更新しました。
コロナ禍、飲食店での利用を中心とした業務用製品の需要が減少する中、巣ごもり需要、備蓄食の確保など、それらの需要増を要因とした家庭用の需要が牽引した形となっています。
品目別ではカレー、食肉野菜混合煮(どんぶりの素)、つゆ・たれが過去最高の生産を記録。一番は、カレー(レトルトカレー)で16万4千310t、箱数で2千500万箱を記録しています。
食肉野菜混合煮というのは「どんぶりの素」などですが、かまめしの素、飯類、パスタソース、つゆ・たれなどが好調ですが、やはり家庭用、一般市販品の需要が高まったとして、この調査結果から見て取れます。
「レトルト」とは、もともと高圧釜の意味で、圧力鍋のようなイメージで圧力釜で、圧力を加えた高温で加熱処理をすることで作られるレトルト食品。
高温高圧殺菌ですから食中毒を起こす細菌などは滅菌されます。
一般の常温総菜は菌の増殖を防ぐために抑菌剤や、pH調整剤などが使われますが、レトルト食品の場合は添加物などを使用しなくても日持ちがするのでポイント!
非常食としても長宝されます。
缶詰も、同様に高温高圧殺菌。
比較すると、レトルト食品はパッケージに軽量で、形状を変えることができるパッケージであることで携行性が良いのが、缶詰よりも秀でた点だと思います。
食べた後のパッケージ、容器の始末にもレトルト食品に分があるシーンが多いように感じれれます。
添加物で、保存性を高めるのではなく、調理法やパッケージで保存性を高めている点が最大のポイントかも知れません。
先の冷凍食品も、野菜なども近年の冷凍技術の飛躍的な進歩から、カットする手間もなく冷凍のまま、鮮度を保たれた状態で、いつでも安定的な価格で使用できるのも、需要増のポイントだとも考えれれます。
サーチ会社のクロス・マーケティング(東京・新宿)により、2021年に調査された「冷凍食品・レトルト食品に関する調査(2021年)」、普段よく買う冷凍食品・レトルト食品や、使うタイミングなど、全国20歳~69歳の男女を対象に「冷凍食品・レトルト食品に関する調査(2021年)」を実施。「普段よく買う冷凍食品・レトルト食品」「冷凍食品・レトルト食品を使う場面」「冷凍食品・レトルト食品を選ぶ時・買った後の気持ち」「プライベートブランドの冷凍食品・レトルト食品を買うことがあるか」を集計しています。
普段よく買う冷凍食品・レトルト食品1位は「ギョーザ・しゅうまい」(36.6%)
2位は「麺類(うどん・そばなど)」(29.5%)、3位は「チャーハン・ピラフ」(28.9%)と続いた。男女別で見ると、女性は「弁当のおかず」「野菜」「パスタ・スパゲッティ」が男性に比べて高い結果となった。また、お気に入りの冷凍食品・レトルト食品については、メーカーやブランドを指名する回答も多くあった。
どんなときに使うかを聴取したところ、全体の1位は「食事の品数を増やしたいとき」で、手軽な冷凍食品・レトルト食品が重宝されている様子。女性は「料理する時間がないとき」、男性は「主食として使いたいとき」がそれぞれトップだった。
商品を選ぶ時や、買って家で使う際に考えることを聞いた。4割の人が「時短になるので助かる」「おいしそうに感じたものを選ぶ」と回答した。また、「電子レンジで調理できるものを選んでいる」と回答した人も35.0%おり、鍋やフライパンを使わず調理できることを基準に選んでいる人が多いようだ。
店で商品を選んだり、買って家で使う際に考えることを聞いたところ、4割の人が「時短になるので助かる」や「おいしそうに感じたものを選ぶ」をあげた。「電子レンジで調理できるものを選んでいる」と回答した人は35.0%。鍋やフライパンを使わず調理できることを基準に選んでいる人も多い様子。
総務省の調査によると、2人以上の世帯における冷凍食品の年間購入額は2015年以降、右肩が上がりで増えていることが分かった。20年はコロナ禍の巣ごもり需要により、購入額は8787円で前年(7818円)と比べて112.4%となっている。
<調査概要>
調査手法 : インターネットリサーチ(クロス・マーケティング セルフ型アンケートツール「QiQUMO」使用)
調査地域 : 全国47都道府県
調査対象 : 20~69歳の男女
調査期間 :2021年11月12日(金)~11月14日(日)
有効回答数 : 本調査1,100サンプル
※調査結果は、端数処理のため構成比が100%にならない場合がある出典元:株式会社クロス・マーケティング http://www.cross-m.co.jp/
「よく買う冷凍食品・レトルト食品」 チャーハン、麺類を抑えて1位になったのは?リサーチ会社のクロス・マーケティングは、「冷凍食品・レトルト食品に関する調査(2021年)」を実施した。普段よく買う冷凍食品は? 男女間で差はあるのか? などを調査した。
餃子やシュウマイは、家飲みのおつまみとしてだけではなく、食卓に並ぶ「おかず」の一品として、また、晩酌の締めの「麺類」としてではなく、おかずとしての利用も当たり前のように増えて、調理時間の短さ、手軽さや、下準備や片付けの手間もほとんど要りませんし、そこに、味も進化に次ぐ進化を遂げて、外食レベルで食べれる、それに近いものもあったりして、個人的にもなかなか手放せない食材となってきています。
レトルト食品を、生活に上手く取り入れながら、ローリングストックを意識していくことで、緊急時の保存食としての役割も担ってくれますので、日頃から気をつけて、少し多めに買うようにしているところです。
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