本格的に梅雨入りし、鬱陶しい毎日です。
この時期になると天気予報で「線状降水帯」や「ゲリラ豪雨」という言葉を耳にします。
どちらも大量の雨が降りますが、言葉の違いは何なのでしょうか。
今回は線状降水帯とゲリラ豪雨について、お話ししたいと思います。
スポンサーリンク
線状降水帯とは何かわかりやすく解説!
線状降水帯とは、発達した積乱雲が帯状に連なることで強い雨をもたらす気象現象のことです。
暖かい空気は、上昇する性質があります。
よくエアコンの風向きを設定するときに暖かい空気は上だから…なんて言いますね。
室内の空気を循環させる、シーリングファンなんかも、この空気の性質を利用していますね。
そのため上昇した地上の暖かい空気が、上空の冷たい空気によって冷やされ、氷の粒が生まれます。
そして、その粒が積乱雲へと発達します。
積乱雲は強い雨を降らせながら風に流されて風下へ移動し、空いた空間に新たな積乱雲が生まれます。
これが繰り返されることにより帯状の積乱雲の集合体が出来上がり、それを線状降水帯と呼ぶのです。
線状降水帯は長さ50~200キロ、幅20~50キロの広い範囲で激しい雨が何時間も続きます。
2017年の九州豪雨、2015年の関東東北豪雨では、線状降水帯が甚大な被害をもたらしました。
この線状降水帯は、昔からある現象ではありますが、近年では発生しやすくなっていることから、耳にする機会が増えてきましたね。
では次に耳にするゲリラ豪雨とは何なのでしょう。
線状降水帯とゲリラ豪雨の違いは何?
ゲリラ豪雨とは、大気の不安定な状態により突発的に起こる局地的な大雨のことを言います。
ゲリラ豪雨は一つの積乱雲によって発生し、10キロ四方程度の狭い範囲で急に激しい雨が降り、1時間ほどで収まります。
ゲリラ豪雨では、降った雨が低い場所へ一気に流れ込むため、総雨量は少なくても、数十分で甚大な被害が発生することがあります。
つまりは、線状降水帯とゲリラ豪雨の違いとは、積乱雲の大きさと雨の降る時間です。
ちなみにゲリラ豪雨は気象用語ではないんですよ。
なんとゲリラ豪雨はマスコミなどで使用される言葉なんです。
えっ、天気予報で「ゲリラ豪雨」言ってなかったかなぁ?
気象庁では「局地的大雨」という言葉を使用しています。
確かに「局地的大雨」聞きますね~
空や天気の状態のよってゲリラ豪雨の発生を予測することができます。
- 真っ黒い雲が近づき、周囲が急に暗くなる。
- 雷鳴が聞こえたり、雷光が見えたりする。
- 冷たい風が吹き出す。
- 大粒の雨や「ひょう」が降り出す。
ゲリラ豪雨から身を守るために天気予報をチェックしましょう。
「大気の状態が不安定」「急な雨に注意」「雷」と耳にしたら要注意です。
では線状降水帯は、いつどんな場所で発生するのでしょうか。
スポンサーリンク
九州で発生しやすい理由についても!
線状降水帯は条件がそろえばいつでもどこでも北海道から沖縄まで全国で発生します。
また線状降水帯が発生しやすい季節は夏です。
夏は大気が不安定になりやすく、積乱雲が発達しやすいからです。
そのため、夏は集中豪雨が起きやすいのです。
線状降水帯が発生しやすい地形は、海に広く開けた地域や山脈のある地域です。
海から流れてきた暖かく湿った空気が山脈にぶつかり、上空に上がっていくことで、積乱雲が発生するので線状降水帯が発生しやすくなります。
では何故九州で線状降水帯が発生しやすいのでしょうか。
九州地方は太平洋と東シナ海に接しています。
太平洋高気圧が日本列島の南に停滞した時、高気圧の縁にそって暖かく湿った空気が日本に流れ込みます。
その空気の入口が九州の西側の東シナ海上となるため、九州で線状降水帯が発生しやすく、梅雨末期には梅雨前線が停滞し豪雨災害が発生しやすいのです。
私の記憶は定かではありませんが、以前は線状降水帯やゲリラ豪雨などといった現象はあまり見られなかったように思います。
やはり地球温暖化の影響があるのでしょうか。
豪雨災害は以前からありましたが、やはり地球温暖化による海水温の上昇や大気中に含まれる水蒸気量の増加によって近年は発生しやすくなっているようです。
海水温が1-2度上昇するだけでも水蒸気の量が急激に増加し、豪雨をもたらす原因となり被害が深刻化しているのです。
ただいま梅雨の真っただ中、豪雨災害への備えをしておくと安心ですね。
自分で行う災害への備え
・側溝や排水口は掃除して水はけを良くしておく。
・非常用品の確認
・非常持ち出し品の用意
・避難場所の確認など
いざという時慌てないためにも、災害への備えをもう一度確認しておきましょう。
コメント